広島で内科を開業しておりますクリニックの院長です。

ブログでは本当にいろいろなことをつぶやいております。

常に患者さんが見てくれているんだという思いでつぶやいてます。

さて、本日は一冊の本の紹介です。

私がいつも言っていることを非常によくまとめてくれた一冊とおもってます。

脳が冴える最高の習慣術という本です。

マイク・ダウさんという心理療法のセラピストであり作家というかたが書かれてます。

うつ病・集中力の欠如・認知症など、現代人のわれわれが直面する問題を科学的に解明したうえでの習慣術を書いてます。

今日はこの本をもとに書いてみます。

肩こりについては書かれてませんでしたがこの習慣術を実践すれば肩こりもなくなりそうです。

 

・思考力の低下や気分の落ち込み

脳に悪影響をあたえるような生活をしているからだといわれてます。

そのような生活では、活力や集中力を保つのに欠かせない「脳内の化学物質」つまり、「神経伝達物質」が十分につくれない。

神経伝達物質をバランスよくつくるには、ライフスタイルを改善する必要がある。

・脳の健康状態を改善する食生活について

  1. 血糖値を必要以上に上げてしまう食品を「高GI食品」といいます。精白パン、白米、パスタ、うどんなどです。これらの摂取量を制限する。
  2. 葉酸などのビタミンB群を多くとる。
  3. ヘルシーな脂肪食品(オリーブオイルなど)をとる。
  4. 発酵させた大豆(みそ、納豆など)を食べる。
  5. 果物や野菜を一日に七品目食べる。

・食事以外の面

  1. 定期的な運動。脳内化学物質をふやし、気分や認知機能を改善する効果がある。
  2. 十分な睡眠 睡眠中は脳のニューロン間に脳脊髄液が入り込み、アルツハイマー病の原因となる老廃物を洗い出すといわれてます。
  3. マルチタスクは仕事の効率を下げます。一度にひとつのことを行う。マインドフルネスの手法をとりいれる。
  4. ソーシャルメディアは、感情をネガティブにします。多大な時間を費やしているなら、使い方を考えなおすこと。
  5. 祈る、瞑想する、唱えるなどのスピリチュアルなことを行うことは、不安を和らげる効果がある。

脳は食べ物によってつくられる

米国で最近いわれている「ブレイン・フォグ」という言葉は耳にされたことがありますか?

ブレイン=脳、フォグ=霧です。

頭に霧がかかったような状態になって、思考力が働かなくなるという状態です。

当院にも、そのような状態で認知症になったのではと心配されて受診されるかたが多くいらっしゃいます。

そのような状態がひどくなり、「うつ病」や「ADHD (注意欠陥・多動性障害」「集中力の欠如」を呈するようになることがあります。

この原因は、

脳内化学物質を脳が十分につくれていないことから起こると考えられております。

先ほどの、適切な食事と十分な睡眠と運動ができなければ我々の脳内化学物質のバランスは確実に悪くなります。

気分をよくするといわれる脳内化学物質は

セロトニンドーパミンです。

ストレスホルモンがコルチゾールです。

セロトニンとドーパミンが減り、コルチゾールが増えた状態になると

頭がうまく働かなくなり、気分が落ち込みます。

簡単なことですが、毎日実行するのは難しいです。

適切な食べ物を食べて、脳が必要とする栄養素を補給しましょう。

炭水化物

血糖値の急上昇と急降下をまねきます。

脳内化学物質に影響を大きく及ぼすものの一つが「血糖」です。

血糖は血液のなかのブドウ糖です。

脳はエネルギー源としてブドウ糖をおもに利用します。

食べ過ぎや不適切な食事

うつや認知症、アルツハイマー病に関連あることがわかってきてます。

インスリンの働き

インスリンは血液中のブドウ糖を全身の細胞にとりこませます。

細胞はそれをエネルギーとして利用します。

過剰なブドウ糖をとりこんだら

インスリンも過剰に分泌されます。

飽食時代のわれわれは実際、「グリセミック指数(GI値)」の高い食品をとりすぎているようです。

GI値

食品中の炭水化物(糖質)が血糖値をどれくらい上昇させるかを測定し、その値を食品ごとに示した数値のこと。

この指数が高い「高GI食品」が血糖値を大きく上昇させるんですね。

精白パン

白米

パスタ

などが高GI食品です。

高GI食品を食べすぎると

体は次々に分泌されるインスリンに反応しなくなるのです。

細胞が血液中のブドウ糖をとりこまなくなる。

この状態を「インスリン抵抗性」というんです。

この状態がつづくと、血糖値がついに下がらなくなり2型糖尿病を発症します。

脳内化学物質をバランスよく整え、認知症などをよせつけないカギ

炭水化物の摂取量を制限する。

高GI食品を玄米や大麦などに切り替える。

これらが大切です。

ビタミンB

アミノ酸を脳内化学物質にかえる

葉酸はビタミンB群の一つですが、脳の健康には欠かせない栄養素です。

私の大学病院勤務時代の教授の中村重信先生は、認知症患者さんの葉酸欠乏を世界でも先駆けてつきとめてました。

脳は、ビタミンBが不足していると、脳の働きや健康な睡眠を保つのに必要な脳内化学物質をつくれません。

ビタミンBはドーパミンやセロトニンを作るときの「補助因子」です。

つまり、食べ物から取り込んだアミノ酸を、脳内化学物質に変えるのに必要な栄養素の一つなんです。

もし、あなたが食べているものに、以下のものが十分に含まれてなければ、脳内化学物質がアンバランスになります。

そして、不安や疲労感や気分の落ち込みがおこる結果になります。

脂肪

ヘルシーな脂肪は脳の健康改善に役立つ!

脂肪には、頭の調子や気分を改善するものもあれば、悪化させるものもあります。

ヘルシーな脂肪食品

オリーブオイルなどの「一価不飽和脂肪酸」を含む油脂や、シーフードなどの「オメガ3脂肪酸」を多く含む食品

これらは、脳の健康に貢献するといわれてます。

*長期的な追跡調査をした研究

ヘルシーな脂肪食品を食べていた集団は、そうでない集団にくらべ認知機能障害の発症率が42%低かったようです。

【参考文献】

Smyth A et al. Healthy eating and reduced risk of cognitive decline: A cohort from 40 countries. Neurology. 2015;84:2258-65.

タンパク質

発酵させた大豆を積極的にとろう!

肉、さかな、牛乳、大豆などに多く含まれるたんぱく質は、三大栄養素のひとつで、炭水化物、脂肪と並んで、食べ物の主要な構成要素になってます。

大豆には必須アミノ酸が全種類含まれているといわれます。

まさに「畑の肉」です。

その一つの「トリプトファン」はセロトニンをつくるのに必要なのです。

同様に、「チロシン」はドーパミンをつくるのに必要です。

大豆を食べるときに、一番いいのは「発酵させた大豆」を食べることだそうです。

みそ・納豆ということになりますね。

果物と野菜

ラッキーナンバーは「7」

ある調査によると、野菜や果物を一日に七品目食べるひとは、あまり野菜や果物を食べない人よりも幸せで、神経質にならず、抑うつ傾向も少ないとのことです。

この本には書かれてませんが最近の研究です。

トリプトファンが分解される

トリプトファンはセロトニンになる前に分解される

トリプトファンを分解する酵素に血清インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)というのがあります。

プロシアニジンという物質はIDOを阻害するといわれております

だから、プロシアニジンを多くとるとIDOが阻害され体や脳にトリプトファンが蓄積することになります。

トリプトファンは幸せ物質のセロトニンの原料ですので、脳に良い影響を与えるはずです。

今年発表された研究です。

チェリージュースによる不眠症治療とそのメカニズムを研究するためのパイロット研究

50歳以上の方に、チェリージュースとそうでない飲料水を1回240mLを1日2回、2週間飲んでいただいたようです。

するとチェリージュースを飲んだ集団の眠りの質が良くなったようです。

チェリージュースには、IDO阻害のプロシアニジンが多く含まれているようです。

【参考文献

Losso JN, et al. Am J Ther. 2018;25:e194-e201.

私の意見

ただし、チェリージュースには糖質も多いので1日に500cc近くも飲むのは私的には反対です。

チェリージュース飲む習慣がない方は一週間に数回くらい飲むようにしたらどうかと思います。

何事も過ぎたるは及ばざるがごとしですね。

脳にいいライフスタイルの改善

日中に運動もせずに、夜更かしをして携帯ではフェイスブックを何時間も寝る直前までみる生活は悪いことは誰にでもわかります。

つまりこの逆の生活をすべきだと著書の中で述べられてます。

継続的な有酸素運動の習慣

健康な体重を維持するだけでなく脳にもよいといわれてます。

運動はエネルギーレベルを高めます。

精神的にも不安やうつ状態と闘うのによいとされてます。

ブログでもとりあげてますが、

近年では認知症の予防にもよいと研究されてますね。

十分でなおかつ熟睡する習慣

誰でも十分な睡眠をとり気分が改善した経験はあるでしょう。

逆に睡眠不足のときはイライラしたり怒りやすくなったり気分が落ち込んだりします。

睡眠不足

ストレスホルモンといわれるコルチゾールが増えます。

コルチゾールが増えたらドーパミンの量が減ります。

その結果、意欲や集中力が低下したりみじめな気分になります。

睡眠の効用

睡眠は脳の神経細胞同士のつながりを強固にする働きがあります。

起きているときに覚えたことを記憶として定着さたり短期の記憶を長期記憶にかえたりします。

四当五落(よんとうごらく)

昔四時間睡眠の受験生は合格し五時間睡眠だと不合格になるといわれた時代があります。

科学的にはこれは逆のようでした。

脳の洗浄を助けると著者はいいます。

動物実験で、

睡眠中は神経細胞同士のすき間が60%拡大し、そこに脳脊髄液が入るようになるようです。

この脳脊髄液によってアルツハイマー病の原因となるようなタンパク質の沈着を洗浄するのではといわれております。

スピリチュアルな行動のすすめ

宗教など信じるものがあるかたにうつ病の発症率が低いといわれてます。