高齢者のかたが頭痛をはじめて訴えたときは要注意です。

危険な頭痛として50歳以上の年齢での初発頭痛というのがあります。

高齢者での初発頭痛はとくに要注意です。

というのは、なにか病気の原因がみつかることが多いからです。

脳血管障害

日本人の寝たきり理由のワースト1の脳血管障害は頭痛が主訴のことがあります。

脳梗塞では、頭痛が患者さんにとって一番の訴えで来院されることはまれです。

しかし脳出血やくも膜下出血では、突然、殴られたような衝撃からの頭痛がおこることは多いです。

このような頭痛のときは、救急車をよぶなどして、すぐに医療機関に受診してください。

慢性硬膜下出血

転んだり、頭をぶつけたりすることで、くも膜と硬膜の間に出血がおこり血液がたまるのが硬膜下出血です。

頭をぶつけて、数日や数週間してから症状が表れることもあります。

出血が少しずつ溜まってくるからです。

血圧が高いから頭痛?

特に高齢者に多いのですが、血圧が高くなったから頭が痛いといわれるかたがいらっしゃいます。

じつは、高血圧と頭痛は直接には関係はないことが多いのです。

高血圧性脳症による頭痛

はい、この頭痛は高血圧によっておこる頭痛です。

ただし、血圧がずっと180/120mmHg以上になってはじめて起こるのです。

頭痛だけでなく、意識が混濁したり、目がみえなくなったり、けいれんを起こします。

一次性頭痛(器質的原因のない頭痛)の三大頭痛が、緊張型頭痛片頭痛群発頭痛です。

年をとると、片頭痛や群発頭痛の頻度は減ってきます。

高齢者では、若い時からのかたは少ないながらいらっしゃいますが、高齢で片頭痛や群発頭痛を初めて経験するかたはまずいません。

いっぽう、緊張型頭痛は高齢でも減ってきません。

年をとりますと、片頭痛や群発頭痛の頻度は減って来ます。一方緊張型頭痛はあまり減ってはきません。

後頭神経痛といって、神経が過敏になるためにおこる頭痛は高齢者にも多くみられます。

このタイプの頭痛は椎骨動脈解離など重大な病気(脳梗塞やくも膜下出血)になる危険性があります。

医療機関に受診されてください。

頚椎症による頭痛も高齢者に多いのが特徴です。

また、後頭神経痛のような痛みをだす、帯状疱疹による頭痛も高齢者に多くみられます。

顎関節症による頭痛

入れ歯が合わないとか、歯がないことなどによる顎関節症の合併のためです。

食事に関係して、頭痛がおこるのが特徴だったりします。

口腔外科・歯科に相談しましょう。

目覚まし時計頭痛

目覚まし時計頭痛も高齢者に多い頭痛です。

「国際頭痛分類 第3版β版」では「睡眠時頭痛」とされております。

「頭痛で目が覚めると、いつも午前4時です」

そのような頭痛です。

通常は三時間以内に頭痛は軽快しますが、診断基準では四時間以内となっております。

50歳以降ではじまることが多く、若いかたにおこることは少ないです。

コーヒーなどのカフェイン飲料水で軽快し、予防的に寝る前に飲むとよかったりします。

副鼻腔炎や脳腫瘍などの頭痛

目覚まし時計頭痛にすこし、似ている頭痛です。

就寝時など横になったら頭痛がするというのがあります。

側頭動脈炎

高齢者のがんこな頭痛のときにこの疾患が見逃されることが多いです。

側動脈という耳の前から額(ひたい)にかけて拍動を触れる血管が炎症を起こします。

高齢者の女性に多いです。

この頭痛は、ほっておくとほかの血管まで炎症がおきてしまいます。

眼動脈(がんどうみゃく)という目にいく動脈に炎症がおきれば、失明の危険があります。

早期に発見できれば、ステロイドホルモンの投与により治療ができます。

がんこな高齢者の頭痛のときに、必ずうたがう疾患です。

うつ状態に関連した頭痛

うつ状態の患者さんの、頭痛の特徴は、頭が重い、さえない、すっきりしないという頭痛です。

頭痛のほかの症状で、うつ気分、倦怠感、睡眠障害、興味の低下、意欲低下、作業能力の低下などがあります。

鎮痛剤が効果なく、抗うつ薬が有効です。

高齢者のうつ状態に関連する頭痛として注意する必要があります。

アミロイド・アンギオパチーによる頭痛

最後に、めずらしい頭痛です。

皮質下という脳の表面の直下の部分に出血をおこす皮質下出血というのがあります。

血管にアミロイドという物質がたまり、血管がもろくなって出血します。

アミロイド・アンギオパチーの方の症状として頭痛があります。