全国の群発頭痛の患者さんへ

少し特殊な内容になります。群発頭痛の治療に当たられている方、群発頭痛の患者さん以外の方は読み飛ばしてください。

治療法として、保険適応にならないものがあります。高濃度酸素吸入とリドカインの局所麻酔薬です。

高濃度酸素吸入

高濃度酸素吸入は呼吸不全の患者さんには保険適応になっておりますが、群発頭痛に対しては教科書的な治療法であるにもかかわらず保険適応にはなっておりません。薬局などで販売される酸素は濃度がうすく、群発頭痛には効果がなく、医療機関を通じてのみ、高濃度酸素吸入はできます。しかし、混合診療が禁止されており、自費診療で高濃度酸素吸入を患者さんに提供した場合、その他の有益な治療法も全て自費診療になります。高濃度酸素吸入に代わる保険治療があるので当院でも、高濃度酸素吸入の自費診療は行なっておりません。頭痛学会などが現在、厚生労働省に働きかけて高濃度酸素吸入を群発頭痛の保険適応になるようにがんばられております。

リドカインの局所麻酔薬

エビデンスが乏しいこと、つまり効果あるかわからないことからも保険適応になっておりません。
医療機関からも市販薬として薬局からも購入はできません。しかし、かぜ薬、アレルギー性鼻炎の鼻炎スプレーのなかに、リドカインが含まれており、このスプレーを使用することで三人に一人くらいですが群発頭痛の発作をおさえることができるようです。ただし、この使用は適応外使用になりますので私どもから公におすすめすることはできません。
以下に、市販の鼻炎スプレーとリドカインの含有量を記載します。全て*第2類医薬品です。

カイゲン点鼻スプレー 30mL
* リドカインは3.3mg/ml
* 製薬会社 カイゲンファーマ株式会社
新ルル点鼻薬 16mL
* リドカインは3mg/1ml
* 製薬会社 第一三共ヘルスケア
ハピコム スットノーズα点鼻薬 30mL
* リドカインは2mg/1ml
* 製薬会社 奥田製薬
ベンザ鼻炎スプレー 14mL
* リドカインは5mg/1ml
* 製薬会社 武田コンシューマーヘルスケア
コルゲンコーワ鼻炎ジェット 30mL
* リドカインは3mg/ml
* 製薬会社 興和株式会社
この中で最も濃度が濃いいのはベンザ鼻炎スプレーのようです。
*第1類医薬品は薬剤師がいる薬局で販売可能なお薬ですが第2類医薬品は薬剤師さんがいなくても販売できる医薬品で、健康被害によるリスクがありながら、第1類よりも低いものです(健康被害のリスクがありますので、副作用や疑問点は薬剤師さんや販売者さんにお聞きになられて下さい。)

点鼻の方法

頭痛が起こり始めたら、鼻をよくかんだあとに、痛い方の鼻の孔からスプレーをします。翼口蓋神経節(よくこうがいしんけいせつに向かって液を流し込む感じで、頭は後屈させる方が良く、寝転んでスプレーをする方法もよいと思います。


翼口蓋神経節 図の様に、鼻のかなり奥に位置してます。この部位に局所麻酔薬を内視鏡で注入して群発頭痛の発作をおさえる方法も報告されております。

【参考文献】
米田 浩基、他【群発頭痛に対する4%リドカインを用いた経鼻内視鏡的翼口蓋神経節ブロックの有効性】頭痛学会誌、2010年、36巻3号、P255-

米田先生の方法を応用して、群発頭痛期にベンザ鼻炎スプレーを、使用可能な範囲内である一回に一回から二回の噴霧を3時間以上おきに行うと(1日6回まで)群発頭痛の予防ができるかもしれません。