もくじ
🍷 赤ワイン、毎日ハーフボトル。これって体にいいの?
~健康寿命をのばすために知っておきたいこと~
こんにちは。
いのうえ内科脳神経クリニック院長、脳神経内科専門医の井上です。
患者さんから時々こんなご相談を受けます。
「赤ワインを毎日ハーフボトル飲んでいます。週に1日だけ休肝日をとっていますが、これって体に悪いですか?」
赤ワインは「体にいい」と聞いたことがある方も多いかと思います。
たしかに赤ワインには“いい成分”が含まれています。ですが、飲みすぎればやはりリスクもあるのです。
今日は「毎日ハーフボトルの赤ワイン」が、健康寿命(元気で自立して過ごせる期間)にどう影響するか、医学的にわかりやすくご説明します。
🍇 赤ワインの「いいところ」
赤ワインにはポリフェノールやレスベラトロールという成分が含まれており、以下のような働きが知られています。
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血管を守る抗酸化作用
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動脈硬化の予防
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HDL(善玉)コレステロールを増やす
このため、「適量」であれば、心臓や血管にいい影響を与えるという報告があります。いわゆる「フレンチ・パラドックス(脂っこい食事でも心疾患が少ない)」の一因とも言われています。
⚠ 飲みすぎにはご注意を
赤ワインでも、「アルコール」であることに変わりはありません。
毎日ハーフボトル(約375ml)は、アルコールに換算すると約40g。これは日本の基準でいう「適量(20g程度)」の倍近い量になります。
この習慣が長く続くと、以下のリスクが高まります。
リスク | 内容 |
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肝臓への負担 | 脂肪肝や肝硬変のリスク増 |
がん | 食道がん・大腸がん・乳がんなど |
高血圧・不整脈 | 心疾患のリスク上昇 |
脳卒中 | 飲酒量が多い人でリスク上昇 |
認知機能の低下 | 過量のアルコールが脳に悪影響 |
睡眠障害 | 夜間の目覚め・眠りの質の低下 |
🕰 健康寿命をのばすためには?
赤ワインを「楽しみながら」健康を守るコツは、量と頻度の調整にあります。
✔ おすすめの飲み方
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1日グラス1〜2杯(150~300ml)まで
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週に2日は休肝日を設ける
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できるだけ夕食と一緒に、だらだら飲まない
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飲まない日もリラックスできる習慣を持つ
🧪 健康チェックも忘れずに
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定期的な肝機能検査
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血圧やコレステロール、血糖のチェック
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睡眠の質や記憶力にも注意を
🎯 まとめ
項目 | 毎日ハーフボトル(週6日)の影響 |
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メリット | ポリフェノールによる血管保護作用 |
デメリット | アルコールの過剰摂取による臓器障害 |
健康寿命への影響 | 適量なら延ばす可能性も、過量なら短縮も |
赤ワインを毎日飲んでいて「健康診断では問題ないから大丈夫」と思っていても、健康寿命にはじわじわと影響が出てくることもあります。
もし「量が多いかも」と感じたら、まずは週に2日お休みしてみることから始めてみませんか?
ご自身の習慣が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。
いのうえ内科脳神経クリニックでは、飲酒と健康、脳や内臓への影響についてもしっかりアドバイスいたします。