この度の西日本豪雨により被災された皆様ならびにそのご家族の皆様に
心よりお見舞い申し上げます
皆様の安全と被災地の一日も早い復興を心より お祈り申し上げます
本日は、運動の強度についてです。
ウオーキングやジョギングなどの有酸素運動が脳梗塞や心筋梗塞の予防によい。
この知識はいまでは常識となっております。
近年では認知症の予防によいことがわかっております。

もくじ

運動はどれくらいすればいいのでしょうか?

いろいろなエビデンスがあります。

現在では、週に二回の7,000歩以上のウオーキングと週に一回の一時間以上の汗をかく運動がよいのではと思われてます。

患者さんからの質問

それ以上運動してもよいのですか?

体力は一概に年齢で区別することはできず、ケースバイケースです。
ご自身でムリがないと思われる運動であればよいと考えております。
つまり十人十色です。
エビデンスは少ないですが、筋トレなどの有酸素運動でないものも健康には有用であると考えられています。

睡眠についていえば、有酸素運動よりも筋トレのほうが熟眠感が得られるという話もあります。

我が国では、かつて糖尿病学会が中心に毎日一万歩を推奨してました。
現在では一万歩だとかえって不健康になるというデータもでてしまい、それを信じて7000歩が推奨されます。
一方
米国では日本人のこの一万歩が健康によいのではと注目し、現在各業界で日に一万歩以上歩くことを推奨しております。
このように運動強度については、国によって異なり、考え方、個人により多種多様です。
一概にはいえません。
近年では、つぎのような論文もでてます。

65歳未満のかたであれば、ある程度強度のある運動は今後の心不全発症の予防に効果ある。

Circulationという循環器領域の国際誌ですが平成30年4月30日に掲載されました。
ヨガ、バランストレーニングおよび筋力トレーニングを週に三回おこなった集団。
トレッドミルやランニングマシンなどを使用したり、ランニング、サイクリング、水泳などの高負荷トレーニングをした集団。
二年後には心臓の機能は高負荷をかけた集団のほうがよくなっている。
運動強度が強くなれば心臓の機能もよくなるというあたりまえのようなデータです。
しかし
軽い運動では25年間くらいつづけても心臓の構造に変化は生じず、心臓血管スティフネスの観点からでは、座っているとの多い人と残念ながら差がでなかったという報告もあります。
今回の結果は
45歳から65歳未満のかたでも運動強化により、心臓の構造変化はよい方向ででるとのこと。
若いかたでなくても心臓は鍛えることができるのだというように解釈することもできます。
心不全を予防することが目的であればある程度負荷をかけた運動、同じメニューで続けるトレーニングより、インターバルを設けたり多種のメニューのトレーニングで負荷を増やしていく必要があるようです。
【参考文献】
Howden EJ, et al. Reversing the Cardiac Effects of Sedentary Aging in Middle Age-A Randomized Controlled Trial:Implications For Heart Failure Prevention. Circulation. 2018;137:1549-60.

まとめ

・有酸素運動の有用性について

・高負荷の運動が心不全予防になることについて

・運動量については個人差があること

・無視しないでご自分にあった運動をみつけましょう。