広島でクリニックを開業してます!

脊椎のイラストですが、肩こりが強い方はこのようにきれいな脊椎のカーブでないことが多いです。

頸椎などは真っ直ぐ(ストレートネック)になっていたり後弯(こうわん)していることが多いです。

肩こりを感じる人は多いと思います。

肩こりっていうのは肩周囲の筋肉が凝る状態であり、頚部から肩にかけての筋肉の凝りです。

つまり肩関節周囲の筋肉の凝りは肩こりではありません。

それはむしろ五十肩などの肩関節炎の症状でしょう。

患者さんによっては肩こりはなく首の後ろの筋肉が凝ると言われてる方もいらっしゃいます。

英語で肩こりを直訳するとshoulder stiffnessです。

でも、英語圏の方に「Do you have a shoulder stiffness?⇒あなたは肩・凝りがありますか?」と尋ねたら?

ほとんどの人が「No」です。

なぜならそれは「肩関節の痛みがあるか」と聞いているからです。

英語圏の方には「Do you have a neck or back stiffness?⇒あなたは頚部や背中に凝りがありますか?」と尋ねると?

多くの人が「Yes」です。

肩こりは日本人特有の症状だといわれるうわさがありますが、肩こりは人種・国籍に関係なく悩む症状です。

もくじ

肩こりの原因

脳にあります。

人間の脳は、手足を動かす、立つ、座る、歩くなどの動作を調整しております。

例えば、肘(ひじ)を曲げようとしたら、上腕二頭筋が収縮し上腕三頭筋が弛緩(ゆるむ)するのです。

姿勢もしかりで、頭部という4kg位の重さを頚部から肩にかけて支えている姿勢で、一部の筋肉に過度の緊張が続いたときに肩こりになります。

もうすこし詳しくはマイベストプロという中国新聞社のページのコラムに書いてます。

ご参考いただけると助かります。

肩こりの予防

予防は、正しい姿勢をとり不必要な筋緊張をなくすことです。

しかしながらすでに骨格に変形がきているかたには正しい姿勢が反ってかたこりの原因になります。

姿勢は悪くても不必要な筋緊張がとれる状態を続けることが大切です。

筋肉の余分な緊張によって生じる緊張型頭痛の予防も同様となります。

先日、アイチケットという会社にパンフレットを編集していただきましたので参考にしてください。

また中国新聞社のマイベストプロのコラムにも「緊張型頭痛」「肩こり」として掲載しております。

肩こりの治療

最も有効なのは痛みどめと筋弛緩作用のある西洋薬です。

しかし、鎮痛薬は副作用の点から通常は推奨しません。

漢方薬や筋弛緩作用のあるトリプタノール(アミトリプチリン)やミオナール(エペリゾン)などを使用します。

しかし、根本的に治すためには肩こり予防を実践することだと考えています。

日常生活習慣の改善がたいせつです。

ストレスや睡眠不足や運動不足も肩こりの原因になります。

そのほかの治療では、肩を回す、首筋を揉む、マッサージ、鍼、指圧、ホットカイロや入浴で温めることです。

筋肉にたまる疲労物質である乳酸を除去するために、血流をよくすればよいという発想でよいと思います。

・肩こりに有効な漢方薬

葛根湯・麻黄湯・葛根加朮附湯・芍薬甘草湯・二朮湯などが急性期に有効とされております。

証(しょう⇒体質)をみて判断しますので、薬局で自分で選んで簡単に購入しても効果ないことが多いです。

薬局にいる薬剤師さんとよく相談されるとよいでしょう。

・トリプタノール(アミトリプチリン)

三環系抗うつ薬として最も最初に開発されたお薬のひとつです。

お薬としての歴史は古く、副作用は多いながら(口渇、便秘、めまい、眠気、排尿障害などの抗コリン作用)、未知のものが出現する可能性は少ないと思われます。

片頭痛や緊張型頭痛には保険外適応として厚生労働省より保険使用が認められているお薬です。

私は、片頭痛や緊張型頭痛を合併している患者さんに対して、トリプタノールを5mg位の少量で使用することが多くあります。

患者さんには「抗うつ薬」として使用するのではないと前置きをして使用します。

でも薬局でもらう説明書に抗うつ薬と書かれていることが多いためになかなか内服していただけない患者さんも少なからずいらっしゃいます。

・ネックレス*

ネックレスによる頚部の刺激が筋緊張の異常興奮が改善されると考えます。

逆に、ネックレスをつけると肩が凝るという人もいます。

異常興奮が誘発されることがあります。

これは、感覚トリックという錐体外路系に体性感覚刺激が働きかける機序によるものです。

一部の湿布薬も同様の作用と考えております。ネックレスなど身に着けたり、湿布で肩こりが改善されるかたは利用されてもよいかと思います。

*ネックレスのみを推奨しているわけではありません。

・ホットカイロ

薬局などで冬になるとおいています。小豆が中に入っていて電子レンジで二分間「チーン」とするやつです。私は肩が凝ってないときも、冬場に体を冷やさないためによく使います。

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