もくじ
二度寝の功罪と上手な付き合い方
〜夕方うっかり寝てしまうあなたへ〜
■ はじめに
「仕事や学校から帰ってきたら、ついソファで寝てしまう」
「気づいたら1〜2時間たっていて、夜眠れない…」
そんな“二度寝スパイラル”に悩む方は少なくありません。
疲れをとるつもりが、かえって生活リズムを崩してしまう。
今回は、二度寝の功罪と上手な対処法を、医学的視点からお伝えします。
🩺 クリニックからのコメント
当院でも「夕方眠くて動けない」「寝すぎて夜眠れない」というご相談をよく伺います。
実は少しの工夫で、この悪循環を断ち切ることができます。
■ 二度寝の「功」〜良い面〜
二度寝には実はメリットもあります。
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短時間なら疲労回復に役立つ
20〜30分程度の昼寝は「パワーナップ」と呼ばれ、脳のリフレッシュに有効です。
注意力・記憶力・気分を一時的に改善する効果があります。 -
副交感神経が優位になりリラックスできる
一日の緊張がほぐれ、ストレス軽減につながる場合もあります。
■ 二度寝の「罪」〜悪い面〜
しかし、夕方〜夜にかけての長時間の二度寝は要注意です。
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体内時計のリズムが崩れる
夕方以降に長く眠ると、夜の睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌が遅れ、
入眠時間が後ろにずれます。 -
深夜の寝付きが悪くなる
「寝たいのに眠れない」「朝起きられない」という悪循環の原因になります。 -
睡眠の質が低下する
夜間の眠りが浅くなり、翌朝のだるさ・頭の重さを感じる人も少なくありません。
■ 二度寝を減らすための具体的な対策
① 夕方の「眠気の波」を予防する
夕方の眠気は、血糖値の変動と体温のリズムによって起こります。
以下を意識してみましょう:
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帰宅直後に軽いストレッチや深呼吸
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夕食前にコップ1杯の水を飲む(脱水による眠気防止)
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お風呂は寝る直前ではなく、夕食後1〜2時間後に
② 「仮眠」を上手にコントロール
どうしても眠いときは、15〜20分だけ目を閉じる「パワーナップ」がおすすめ。
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アラームをセットして寝過ぎを防ぐ
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ベッドではなく、ソファや椅子など「浅い眠り」になりやすい場所で
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眠る前にカフェイン(コーヒーなど)を少量飲むと、起きる頃にちょうど効いてスッキリします
③ 朝の目覚めを整える
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朝はカーテンを開けて日光を浴びる(体内時計リセット)
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起きたら軽く体を動かす(交感神経を刺激)
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朝食をとることで体内リズムを「朝型」に戻します
④ 眠気の背景に病気がある場合も
睡眠時無呼吸症候群や甲状腺機能低下症、うつ病などでも日中の強い眠気が見られます。
「日中どうしても眠い」「寝ても疲れが取れない」といった場合は、
一度医療機関にご相談ください。
■ おわりに
二度寝は「悪」ではありません。
しかし、時間・タイミング・長さを間違えると、
体内時計のバランスを乱し、心身の不調につながります。
大切なのは、
「眠気を敵視せず、味方につける工夫をすること」。
毎日が少し楽に、心も体も整うように、
“自分に合ったリズム”を見つけていきましょう。



