いのうえ内科脳神経クリニックの院長です。
頭痛専門に診察しておりますが、本日は骨粗鬆症について。
以前マイベストプロ(中国新聞社)にて片頭痛患者さんに骨粗鬆症治療薬であるビタミンDを投与して頭痛が改善したことを書きました。
女性の閉経は頭痛発作が増えるばかりでなく、骨粗鬆症も多くなるので要注意!
もくじ
脆弱性骨折について知っていますか?
世界的に、50歳以上の女性3人に1人、男性5人に1人が
骨粗鬆症による脆弱性骨折を発症するとされてます。
高齢化に伴いこの数はさらに増加する見込み。
このような状況にもかかわらず、
現在、骨粗鬆症の診断・治療は十分に行き届いていません。
とくに骨折を起こした後も、5人に4人の患者は診断や治療を受けていないと推定されています。
適切な治療または効果的な介入選択肢が利用できない場合、
患者には将来、痛みを伴い日常生活に支障をきたす骨折のリスクが残ります。
イベニティ®(ロモソズマブ)について
イベニティ®は世界で最初に日本で承認された骨形成促進作用を持つモノクローナル抗体。
スクレロスチンの活性を阻害する作用を持ち、骨形成を速やかに促進し、骨吸収を抑制。
大規模な国際共同第III相試験において、イベニティ®の骨折リスクを低下させる可能性が検討。
これらの試験には、イベニティ®とプラセボまたは実薬対照のいずれかとの比較で骨折抑制効果を検討した大規模な2つの試験が含まれ、合計10,000例を超える閉経後骨粗鬆症患者が対象になりました。
イベニティ®はアムジェン社とユーシービー社によって共同開発されています。
骨の健康を維持するために
骨は、その量と構造を維持するうえで、生理的なメカニカルストレスが必要不可欠です。
不動・非荷重は、骨形成を急速に低下させますが、その分子メカニズムが徐々に解明されてきました。
副甲状腺ホルモンや抗スクレロスチン抗体による治療の有効性も確認されてきました。
研究の進展と将来
骨芽細胞におけるシグナル伝達やスクレロスチンとWntシグナルの関係、p53遺伝子を介したアポトーシスなど、骨の健康に関する研究はますます進展しています。
これらの知見を元に、より効果的な治療法や予防策が開発されることが期待されます。
骨の健康についての理解が深まり、新たな治療法が開発されることで、将来的には骨折のリスクを減らし、健康な生活を送ることができるでしょう。
今後の研究の進展に期待しましょう。
当院ではDEXA(デキサ)と呼ばれる検査を用いて、骨密度を評価しています。
DEXAは「Dual-Energy X-ray Absorptiometry」の略称で、X線を使用して骨の密度を測定する非侵襲的な方法です。
DEXA検査では、身体の特定の部位(通常は腰や大腿骨)にX線を照射し、そのX線を吸収する量を測定します。これにより、骨の密度や強度を正確に評価し、骨粗鬆症などの骨の健康状態を判断することが可能です。
骨密度検査は、特に50歳以上の方や骨折のリスクが高いとされる方におすすめされることが多く、早期の骨の健康状態の把握や適切な予防・治療のために重要です。
当院ではDEXAを用いた骨密度検査を通じて、患者様の骨の健康状態を正確に把握し、適切なアドバイスや治療を提供することで、健康な生活をサポートしています。