いのうえ内科脳神経クリニック院長の井上です。

7月22日は梅雨明け!猛暑が続いてます!

7月18日は当院スタッフ研修会のためクリニックを休みにしました。

皆様にはご迷惑をおかけいたしました。

私どもは同日、「群発頭痛」のテレビ取材のため東京に出張しました。

 

取材中に、自分の姿勢が猫背になっている気がしました。

今年になってから、患者さんの姿勢改善の重要性を再認識し、当院独自の「二本指法」を説明しています。

患者さんに姿勢をよくするよう指導しながら、自分が猫背や首を突き出した姿勢で説明していたら本末転倒です。

恥ずかしながら、昨年までは私自身も猫背が自然な姿勢でした。

しかし、この「二本指法」を使うことで、現在では姿勢が少し改善されたように感じています。

感覚トリックの力:姿勢を良くして首のこりを楽にしよう

もくじ

はじめに

悪い姿勢で首がこったり、不快に感じたりしたことはありますか?

多くの人がこの問題に悩んでいますが、良いニュースがあります。

簡単なテクニックで姿勢を改善し、痛みを和らげることができるんです。

この投稿では、私どもが提唱するユニークな二本指法を含む感覚トリックについてお話しします。

感覚トリックって何?

感覚トリックは、特定の感覚刺激を利用して体の動きや姿勢に影響を与える技術です。

これらの技術は、筋肉の活動を促進し、習慣的な動きのパターンを変えることができます。

例えば、「ハンガー反射」は、頭にハンガーを置くことで筋肉の活動を引き出し、姿勢を改善するものです。

二本指法

ここで紹介するのが、二本指法という感覚トリックです。この方法を試してみましょう。

1. まず、足を肩幅に開いて立つか座ります。腕はリラックスさせて体の横に置いてください。

2. 人差し指と中指を顎の下側、ちょうど顎の頤結合部(オトガイ結合部)に置きます。

3. 指で顎に軽く圧力をかけ、顎を首の方に押します。

4. 同時に腹筋に力をいれながら、胸を広げます。

5. この姿勢を数秒間保ち、その後、圧力を解放してリラックスします。

6. これを一日に何度も繰り返し行うことで、体の自然な姿勢を再訓練し、姿勢を改善していきます。

*個人差があり、症状の悪化時には本方法は中止するかかかりつけ医師に相談してください。

肩こり体操

診察室内ではこの体操を肩こり体操の6と称して説明してます。肩こり体操の一と二は頭痛体操です。

当初頭痛体操も肩こり体操も軽い体操というイメージで説明してました。

でもストレッチと筋トレを合わせたようにゆっくりと可能な限り関節を最大限に動かして力を適度にいれて行う方が有効であると思われました。

感覚トリックの効果

感覚トリックは、姿勢を良くして首のこりを楽にするのにとても役立ちます。

これらの方法を続けることで、自然で快適な姿勢を取り戻し、首や肩の痛みや不快感を和らげることができます。

また、感覚トリックを使うことで、自分の姿勢や動きのパターンに対する意識が高まり、全体的な健康状態も良くなります。

仮説ではございますが、文明人の生活は猫背姿勢、首を突き出す姿勢、前かがみ姿勢が一般的です。

脳の中の基底核を始めとする錐体外路系は、そのような姿勢を自然な姿勢と勘違いしているのです。

本来ならば、臍下丹田に両手を当てて行う瞑想時の姿勢が快適でなければいけないのに、そのような姿勢をとることに慣れた脳はストレスを感じやすくなります。

瞑想時の姿勢をとれている間は、脳のデフォルトモードネットワーク(DMN)ですら休息できると考えられます。

肩こり・首こりのみならず、ジストニア全般や画像による異常のない非器質的なめまいや頭痛の治療にもつながると考えています。

デフォルトモードネットワーク(DMN)

瞑想時には脳のデフォルトモードネットワーク(DMN)の活動が落ちることが知られています。

デフォルトモードネットワークは、自己参照的な思考や内省、過去や未来について考えるときに活発になる脳のネットワークです。

瞑想を行うことで、このネットワークの活動が抑制され、現在の瞬間に注意を集中することが容易になります。

これにより、ストレスの軽減やリラクゼーション効果が得られるとされています。

DMN(デフォルトモードネットワーク)の活動は『マインドフルネス』で抑制できる

  • 長期的なストレス解消効果
  • 集中力が高まる
  • 自己肯定感が高まる
  • 共感力が高まる
  • 自己統制力が高まる
  • 睡眠の質が高まる・不眠が改善する

結論

感覚トリックは、首や肩の痛みや不快感を軽減し、姿勢を改善するための素晴らしいツールです。

二本指法を使って、毎日の生活の質を向上させましょう。

参考文献

  • Raichle, M. E., et al. (2001). “A default mode of brain function.” Proceedings of the National Academy of Sciences, 98(2), 676-682.
    • この論文は、デフォルトモードネットワークの概念を提唱し、安静時に活動する脳のネットワークとしてDMNを初めて紹介しました。著者たちは、脳が外部のタスクを行っていないときでもエネルギーを消費していることを示し、この活動がDMNに関連していることを明らかにしました。
  • Buckner, R. L., Andrews-Hanna, J. R., & Schacter, D. L. (2008). “The brain’s default network: Anatomy, function, and relevance to disease.” Annals of the New York Academy of Sciences, 1124(1), 1-38.
    • このレビュー論文は、DMNの解剖学的構造、機能、およびさまざまな神経疾患との関連について詳しく説明しています。DMNの理解を深めるための重要な文献とされています。
脳の誤作動のブログ

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