迷える子羊たち

「先生、コレステロールなど下げたくありません。下げると体に悪いと週刊誌に書いてました。」

間違った医療知識を提供するには?

という逆の視点で

大きく四つの方法があります!

少ないデータでの発表

少数例での検討や、なかには一例報告のみ。

どんな方法でも、いかなるお薬も、個人差はあるし効果、副作用ともにあります。

少数で効果をみたり、副作用をみたりするのはその手法自体があやしいことがあります。

例 ○○県に住んでいる△△さんは××を飲み始めて、体重がこんなに痩せました!

前後のお腹の写真を写してます!

1000人××を飲んで一人でも痩せた人がいたら、その写真を載せて販売しようとするものです。

例 お医者さんからもらった薬、××を飲み始めてから肺炎になりました。

その患者さんの胸部レントゲン写真を前後で写してます(どこから入手したか不明)。

これらは正しいかもしれません。△△さんの体質にとっては××のお薬が効果あったのかもしれません。

xxを飲むことが、本当に肺炎になるのかもしれません。

しかし、科学ではこのような少数の経験を信じてはいけないことになっております。

エビデンス(証拠となる研究)に基づいたことではないからです。

過去の大論文の間違いを指摘する

正しいエビデンスとなる研究論文報告が数多くあるのに、

その元になる論文の非を見つける

最近の論文は手法も信頼性のある方法を用いたり、統計解析も主観がはいらないようにしてます。

しかし50年も前、あるいは100年も前は現在のような手法はなく、統計解析もなかったり主観性がはいるものが多く存在しています。

つまり元となる論文が古ければ古いほどその論文の誤り部分を指摘できやすくなります。

〇〇は××であるという結果を、何度も何度も繰り返し確認されたとしても、ほとんどの論文がその大元になる論文を引用してます。

で、その論文が古いものであれば、その論文の誤りを探し出します。

その結果、古い論文では、現在のレベルでは信憑性(しんぴょうせい)が低くなります。

そこで、ブログやニュースで〇〇は××という研究結果は誤りととりあげます。

はい、他のブログでも、

例 血清コレステロールの高さと、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患や脳梗塞との因果関係はない

明らかに、間違いです。数々の研究発表がこの因果関係を証明してます。

なぜ、この意見が?

昔のデータの信ぴょう性が揺らいだからです。

血清コレステロールの高値が悪いと言われた、大元の研究です。

この研究は8か国のデータをまとめて解析されてました。コレステロールと死亡率との関係です。

ただ、この研究の対象となったのは22か国だったとのうわさがあります。

そこで、22か国のうちコレステロール値と死亡率との関係がありそうな国のみを選択したということです(真実は不明)。

これはバイアスをかけるといって研究者が主観的にデータを操る行為になります。

50年も前のこと、著者は逝去されており、誰も真実を証明はできません。

しかし、このバイアスをかけた疑いがもたれたことでこの論文の価値は落ちることになります。

大御所の論文が誤りとなる印象がわれわれにインプットされます。

そして、コレステロール値の高値と死亡率は因果関係がないという結果を発表するのです。

あとは、その内容が独り歩きするわけです。

 

論文の著者の意見を強調する

まだまだ、十分なデータの蓄積がないにもかかわらず、著者が意見を言うことがあります。

これは、将来の研究につながり非常に有用なことがあります。

著者は、この意見についてはさらなるデータの蓄積が必要だなどのべて、論文を書き終えるスタイルです。

著者には、全く非がないのですが一部の読者がその意見をとりあげます。

自分の都合良いようにとりあげます。

つまり、論文の趣旨〇〇は無視して、著者の最後の予測的意見を、

この研究により、著者らは××であると考えたというように。ブログやニュースで取り上げられます。

そして、その××︎の内容が他のブログでとりあげられる。

そうすると、あたかもその論文の趣旨が〇〇でなく××であるかのようになります。

例 ○○感染症は上気道と下気道に別々に感染するという趣旨の論文があります。

その論文の最後に、○○感染症のワクチンを注射すると、○○感染症にむしろかかりやすくなるかもしれない。まだ十分な研究結果はないのでさらなる研究が必要だ。

と、締めくくってます。

それを、○○ワクチンを注射すると○○感染症にかかりやすくなる。

と、ブログのタイトルで論文を紹介している。

事実をすり替える

著者の意見を強調するというのに似ております。

実際の研究論文の趣旨をすりかえて似たような内容に変えてしまうことです。

例を挙げたほうがわかりやすいので、さっそく例をあげさせていただきます。

例 コレステロールの摂取量は高コレステロール血症と直接の関連がない

このような事実が米国の研究でわかりました。

昔から、コレステロールが高い人はコレステロールの摂取を控えるように強調してきてました(これは誤りでした)。

卵などは一日一個も食べると多すぎると。

栄養学の初歩を学んだ方にはわかると思います。

人の三大栄養素はタンパク質、脂質、炭水化物です。

それらは人の体のなかで作りかえられます。

つまり、皮下脂肪の原因は脂質のとりすぎではなくカロリーオーバーです。

脂質のみでなく、タンパク質や炭水化物を多くとっても皮下脂肪はつきます。

で、頭のよい悪い方が(悪気はないでしょうが)、コレステロールの摂取と心血管障害や脳卒中とは関連ないと。

すり替えてしまうのです。

コレステロールは摂ってもよいよ。

のみならず、

高コレステロール血症も大丈夫だよ。といった具合にです。

 

私たちは正しい医療情報を患者さんに伝える義務があります。

有害情報にたいしては、それが間違っていることを知らせることも大切だと考えております

こんかい具体的な論文名やブログ、ニュース記事を記載しようか迷いましたが氷山の一角を攻撃することにもなりかねませんので、このような掲載になったことをお許しください。