広島市内で内科を開業してます。

ブログでは患者さんからよく質問される内容に対してお答えするような形で書くようにしてます。

本日は血圧のお話です。

「先生、血圧が高くて頭痛がします!」

「先生、鼻血がでて耳鼻科に行ったら血圧が高いのが原因だといわれました!」

「先生、目が真っ赤になって眼科に行ったら血圧が高いのが原因だといわれました!」

これはすべて、誤りです。

血圧は通常の収縮期血圧*が160から180mmHg位ではこれらの症状は起こりません。

症状が起こるとすると、血圧上昇時に伴った脳出血・脳梗塞・くも膜下出血・心筋梗塞などです。

これらの恐ろしい病気は、高血圧などを放置していて動脈硬化が進行することにより起こるので健康な動脈をもっている方に少々の血圧上昇で起こることはないとされてます。

「先生、血圧が高くて頭痛がします!」

・この訴えの患者さんで一番多いのは、睡眠不足・深酒・風邪などの身体的ストレスがあったり、職場でのハードワークや家事に追われていたり精神的ストレスがあることによる緊張型頭痛です。

緊張型頭痛は肩こりが頭に起こるようなものです。

ストレスがある。

筋肉が緊張する

頭痛がおこる。

同時に交感神経の緊張により血管が収縮されます。

血圧が高くなる。

このような機序ですので、ゆっくり休みストレスを減らす、肩こりをなくすなどすると頭痛もなくなるし血圧も下がります。

通常の血圧*とは無関係です。

「先生、鼻血がでて耳鼻科に行ったら血圧が高いのが原因だといわれました!」

このような質問には、忙しい診察室では、私は「なるほど、しっかり血圧もコントロールしていきましょう。」と言います。

「それは違います。」なんていいません。

ここでは、このことについて少しくわしく。

耳鼻科の先生も受診時に血圧測定をすると高かったので「血圧も高いですね。」と付け加えたのを、我々は自分の状況を考えて「鼻血がでるのは血圧が高いから。」と言われたと勘違いするものですね。

・鼻血の原因のほとんどは鼻粘膜の傷だと、昔研修医のころに勉強しました。

鼻血は、小鼻の内側に鼻中隔(びちゅうかく)というのがありますが、そのにあるキーゼルバッハ部位からの出血が最多いとされています。

キーゼルバッハ部位は細い血管が網の目のように張り巡らされております。

非常に細い血管なので動脈といっても、ほんの少しの衝撃でも傷ついて出血してしまうのです。

傷つきやすいから、鼻をいじりすぎたり、鼻を強くかむことだけでも鼻血が出たりするのですね。

通常の血圧*とは無関係とされております。

キーゼルバッハ部位からの鼻血がほとんどですが、何もしていないのに鼻血が出る場合は病気が原因である可能性もあります。

この場合は、キーゼルバッハ部位でなく鼻腔の奥にある粘膜から出血することがあるようです。

鼻血が止まらないときや、繰り替えすようならば耳鼻科受診されてください。

「先生、目が真っ赤になって眼科に行ったら血圧が高いのが原因だといわれました!」

これは結膜下出血(けつまくかしゅっけつ)です。

こちらも鼻血と同様に自然によくなりますので放置可能です。

繰り返す人や程度の強い方は眼科受診してみてください。

現在のところ通常の血圧*とは無関係とされております。

結膜下出血(けつまくかしゅっけつ)

結膜下出血とは、結膜下の小さな血管が破れて出血したものです。

白目の部分が赤く染まります。

最初起こったときは、びっくりされて救急車を呼ばれるかたもいらっしゃいます。

安心してください。

自然になおる状態です。

多少、目がごろごろする程度で、痛みなどはないことが多いです。

原因は血圧ではありませんが、くしゃみやせき、深酒や月経、ゴーグルなどを締め過ぎたりすることに関連がします。

一時的に結膜下の小さな血管に負担がかかることが予想されます(一過性の高血圧でしょうか?と言ったら血圧といわれそうですが)。

出血は、一週間から二週間で自然に吸収されることがほとんどです。

たまに二ヶ月から三か月ぐらいかかることもあります。

どちらでも自然に吸収されますので、まず、心配はご無用です。

*通常の血圧

通常の血圧という言葉を用いました。

非常に高い血圧になると頭痛など症状がおこります。

慢性高血圧患者では220/110mmHg以上くらい高くなり、はじめて高血圧脳症といって脳に影響を与えます。

この場合は、すぐに治療が必要になり、すぐに病院へ受診してください。

でも220mmHg異常になり頭痛があるといって当院に受診される方は年に1人か2人位です。

多くのかたは180mmHgくらいでびっくりされてます。

血圧は日内変動するものですね。

朝起床時には交感神経が緊張しますので若干高くなることがあります。

日中の運動時や食事、トイレなどでも血圧はあがります。

これらの上昇も本来はうまくコントロールしないと本当はだめです。

ただし患者さんが運動時やトイレに行く前の血圧を心配し、毎回測定するようになるのは精神的には逆効果かなと思います。

高血圧の患者さんは朝と夜の血圧を130/80mmHgに抑えても、トイレを我慢したり、運動をすると簡単に180-200mmHg位に上がります。

だからフィットネスセンターや温泉での注意書きで高血圧のかたは医師に相談してくださいとなるのです。

長期間血圧高値を続けることで、血管がもろくなります。

その血管は血圧がそんなに高くなくても破れることになります。

だから早朝時の脳血管障害や心筋梗塞が多いのです。

まとめ

・血圧が高いことで頭痛・鼻血・結膜下出血がおこることはまれ。

・血圧はトイレ・運動で高くなる。

・一過性に血圧が上昇するのを心配するより、普段の血圧をコントロールすることが大切。