もくじ
ジストニアっていう不随運動をきたす病気
目の開け閉めが自由にできなくなる、眼瞼痙攣( がんけんけいれん)。
首が勝手にねじれてしまう、頚性斜傾。
字を書こうとすると、指に変な力が入る、 あるいは力が入らなくなる、書痙(しょけい)。
これらはジストニアの代表的な疾患です。
ジストニアの分類
本態性ジストニア (原因のよくわからないもの)
- 全身性ジストニア
- 若年発症型
- 成人発症型
- 孤発性
- 遺伝性
- 局所ジストニア
- 痙性斜頚 (頚部ジストニア)
- 眼瞼けいれん
- 書痙
- 職業性ジストニア
- 痙性発声障害
- その他
動作特異性ジストニアとも
- 書痙
- 職業性ジストニア
二次性ジストニア (脳の病気で二次的に生じるもの)
- 脳性麻痺、脳血管障害、脳炎、先天性代謝異常などが原因と
感覚トリック現象をブログでは説明してきました。
感覚トリックとは、 触られるという情報が基底核という頭の真ん中に扇型に広がる部位 に作用し、体の一部の筋収縮に変化をきたす現象です。
感覚トリックをうまく利用できると、 ジストニアの治療になると思います。
脳の皮質神経細胞の再構築は二ヶ月くらいといわれてますので、
*ボツリヌス毒素を用いた治療は、当院では患者さんの数が多くなり、現在受け入れることができない状況になっております。
もうしわけございませんが、何卒ご理解をよろしくお願いします。
治療に使用する感覚トリックですが、ジストニアの原因です。
ジストニアは癖みたいなものですが、 癖はやめようと思えばその場で一時的にはやめれます。
無意識のうちに変な姿勢をしていると肩がこるというのは誰でも経 験があると思います。
これが、 ずっと変な姿勢でいるとついには正しい姿勢にしようとなると、 鏡をみたりしないと無理になります。
ですから、次のことがジストニアの原因といわれてます。
左利きを右利きに矯正
左右は関係ないと思われます。
左手を使うのに慣れた、 大脳が右手を無理に使用することで神経細胞の再構築がはじまり、 基底核が誤作動を起こすのが原因です。
右投げを左投げに変更
レジでの斜め立ち
音楽家の楽器操作
腕を怪我をするなど、普段と異なる演奏スタイルを続けることで、 通常より容易に神経細胞の再構築がおこります。
書字
箸やスプーンの使用
シートベルト
パソコン作業、特にマウス
変な姿勢での作業
ネックレス
服装や髪型
【参考論文】
Inoue K et al. Somatosensory mechanical response and digit somatotopy within cortical areas of the postcentral gyrus in humans: an MEG study.Hum Brain Mapp. 2013;34:1559-67.
これらは全てジストニアのみでなく、肩こり、 緊張型頭痛の原因です。
そして、全てが治療法につながると思います。
つまり、通常の病気は原因が悪いわけですが、
ハンガー反射で、 逆方向に首が回るかたがいるということも参考になります。
治療として、 利用する場合は神経内科医と相談しながら行ってください。
シートベルト
肩こりの原因になることは知られてますが、 ジストニアの原因になることもあります。
車の運転を控えることが治療法になることもあります。
マウス
トラックボールマウスに変えて手首を動かさなくすると肩こりが減 るとよく耳にします。
ただ、 これもジストニアの原因になりうるし治療にもなるので慎重に使用 されることが望まれます。
ジストニアの治療
一般的にボツリヌス毒素や内服治療が行われます
内服の効果は限定的で、改善は困難
ボツリヌス毒素は効果は施設により差があり。
30%から50%位の寛解が期待できると。
手術
書痙など手の局所のジストニア 視床という脳のど真ん中に左右見られる部位に凝固巣をつくることで症状の軽快(東京女子医大脳神経外科)。
痙性斜頚 ボツリヌス毒素注射と同様に異常に動く筋肉にいく運動神経を選択的に遮断する選択的末梢神経遮断術。
全身性ジストニア 脳内の淡蒼球(たんそうきゅう)という部分を慢性的に電気刺激する脳深部刺激療法*。
二次性ジストニア 脊髄の脊髄液腔にバクロフェンというお薬を持続投与(海外での治療)。
*脳深部刺激療法 入院期間は約一カ月(施設により異なる)。
費用 手術機器だけで300万円あまり、総額で400万円以上。患者さんに負担していただくのは通常この三割。(高額医療制度の適応あり)