いのうえ内科脳神経クリニックの院長の井上です。

脳神経専門のクリニックです。

広島地方は明日あたりから天候が崩れるとか。

梅雨になるまえに、今からウォーキングです。

本日はむずむず脚症候群についてとりあげます。

名前を聞いただけでもむずむずしそうですが。。。

もくじ

むずむず脚症候群について

概要

夜寝る前になると、下半身がむずむずする。

下肢(かし)を動かせば楽になる。

寝てるとむずむずして気になって寝れないが、布団からでたとたんむずむず感はなくなる。

これが典型的なむずむず脚症候群の最初の症状です。

正式な医学用語では

下肢静止時不能症候群(かしせいしじふのうしょうこうぐん)といいます。

英語ではレストレスレッグ症候群(Restless leg症候群, RLS)

疫学

有病率は2から7.2%と考えられております。

症状が現れる頻度が週に3回以上を中等度以上のRLS で1.6%

症状の頻度が週に一回以上としたした場合 4.5%

60歳ころまでは、加齢とともに有病率は増えてきます。

女性に多く、男性の1.5から2倍

とくに妊娠中にはその罹患率が2から3倍増えて、出産直後から症状が改善したり消失します。

通常の発症年齢は10から20代です。

原因

根本的な原因は、基底核(きていかく)の失調(しっちょう)が生じているためです。

これは体質的なもの(遺伝的なもの)ですのでどうすることも現在の医学ではできません。

基底核の失調?

ジストニアという不随意運動の原因でもこの言葉を使用しました。

むずむず脚の場合さらに、

ドーパミンが欠乏している状態とそのドーパミンを作るための補酵素として必要な

鉄(てつ)

の欠乏が強く関連している場合があるのです。

また

葉酸(ようさん)

は核酸(DNA)やアミノ酸を作るのに大切な補酵素ですが

この欠乏も関連している場合があります。

その他には、

血液透析、甲状腺機能低下症、

糖尿病、慢性関節リウマチ、

慢性閉塞性肺疾患、線維筋痛症

などが基礎疾患としてある場合も多いのです。

この病気は不思議なことに、

パーキンソン病などのような、神経変性疾患とことなり

あまり症状が進行することもなく

年をとるとわずかに症状が軽快することがあります。

治療

ジストニアの治療と同じく

基底核の失調がいろいろな要因で調整されます。

睡眠・運動・食事・禁煙

就寝前のカフェイン、アルコール、喫煙は症状を悪化させるため、摂取を控えます。

マッサージ・運動

下肢のマッサージや軽い運動、不快な部位を温めたり冷やしたりすることが有効なことがあります。

内服薬や貼付剤

つまり貼付剤を貼ることは数あるうちの治療の一つです。

実際もっとも有効な治療のひとつです。

症状をコントロールすることで場合によっては症状がまったくでないようにすることもできます。