人生の三分の一は眠りと言われており、近年いかに眠りの質をあげるかに注目されております。片頭痛をはじめとした疾患は睡眠が十分とれないことで誘発されます。
人はどうして眠たくなるかですが、二つの大きな生命維持機構が働くからです。
1.睡眠恒常性維持機構 疲れたから眠たくなるという睡眠の恒常性を維持するための機構です。
2.体内時計維持機構 夜になると眠たくなるという体内時計の設定による維持機構です。
これらの機構に障害を来し、我々は睡眠障害のうち入眠困難を来します。
不眠症にその他、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠困難があります。
ただし、それらが少しばかり障害されたとしても不眠症とはいいません。不眠症とは就寝する時間が確保されているにもかかわらず、長時間の不眠が続き、日中に生活の質の低下がみられる状態のことです。日中眠たいといのは、不眠症の症状ですが、眠たくないのに生活の質が落ちるということもあります。
不眠症がもたらすリスク
睡眠不足により、糖尿病、高血圧、心筋梗塞などの生活習慣病の発症リスクが高くなるといわれています。また、当然のことながら睡眠不足により、頭痛、肩こり、めまいなどの症状も出現してきます。日中眠気がないと思われる方も、仕事などの作業能率が落ちたり、場合によっては居眠り運転ということにもなりかねません。
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