月日のたつのは早くすでに立冬です。

ユリの木でしょうか?

この二週間の間にすっかり紅く染まりました。

診察室の一コマから~医療における問診の重要性について

新患患者さん60代男性。

待ち時間にいらいらしている様子がありました。

「さっき問診表で答えただろ!」

「なんの薬を飲んでるかなんて薬手帳だしただろ!」

看護師さんが問診をとっていましたが、大きな声で不快そうに話されている患者さんがいらっしゃいました。

看護師さん

「ごめんなさいね。大切なことなのでくどく確認してすみません。」

隣の診察室で聞いていた私。

(すばらしい!○○さんは謝っている。しかも問診の必要性をきちんと述べた上で謝っています。「大切なことなので!」といってから。)

さっと診てあげて、さっとお薬をだす。

これも非常に大切なことと思っております。

でも、医療行為となるとすこし異なるときがあります。

神様でない我々に100%はありません。

でもかぎりなく100%にしたい。

その気持ちからこのくどい問診の結果になったのです。

人の話のキャッチボールには話す側の主観と聞き取る側の主観がはいります。

いいたいことが伝わらないこと、

聴きたいことが聴けないこと。

これは日常茶飯事。

医療ではこのコミュニケーションエラーは避けたいのです。

だから同じことでもまた聞くのです。

笑い話のような以下の話

30種類のお薬を処方されている患者さん

「お薬は何を飲んでますか?」

とお薬手帳をみながら患者さんに質問しました。

「先生、ありがとう。はじめてそのような質問をされました。」

えっ!

質問したわたしは薬手帳の日付を確認するのが大変だったので聞いたのですが。

患者さんは、わたしの質問は「処方されているお薬のどれを飲んでいるのか」と思ったらしいのです。

つまり30種類のお薬のどれを飲んでいるのか?

患者さんは耳鼻科、眼科、内科、整形外科と行く先々でお薬を処方されてました。

でも他院に受診していることなどお話をするのは失礼かと思ったらしく。

訴えの数だけ処方薬が増えてしまいました。

患者さんも30種類のお薬を飲むのはどうかと考え、選択して飲むようにしていたようです。

食事中に漢方薬を飲んでいた患者さん

これは私自身も研修医のころ勘違いしてました。

漢方薬を食間に飲んで下さいと説明。

患者さんはなんと、食事の途中にわざわざ漢方薬をとりだして飲んでいたとのこと。

このお話を聞いて笑ったかたも、最初はわたしのように勘違いしてませんでしたか?

食間は食事と食事の間、つまり食後2時間位のことですね。

*実際は漢方薬は食前と食間で飲むように保険診療できめられております。

そのため、処方せんにはいずれかの飲み方で飲むように記載。でも漢方はいつ飲んでも効力はかわらないといわれております。

つぎのような例もあり

息がしんどいといわれて実は心臓が悪く狭心症。

首が痛いといわれて実は後頭部痛でのくも膜下出血。

咽喉が痛いといって実は肝炎(伝染性単核症)。

息がしんどいって言ったのはあなただから呼吸器疾患を疑った。

首が痛いといったのはあなただから整形外科疾患を疑った。

咽喉が痛いから風邪を疑った。

ではだめですよね。

医療者は問診を加えて、あるいは聞きなおして本当に患者さんがいわんとすることを聞きとらないといけないのです。

「ごめんなさいね。大切なことなのでくどく確認してすみません。」