もくじ
はじめに
片頭痛の患者さんには睡眠時間を一定にすることが、頭痛の回数や程度などを改善させるといわれております。私もよく患者さんには7時間睡眠を推奨しております。ただ7時間睡眠がベストであると簡単には言えないのが現状です。7時間を推奨する根拠となる論文の紹介と、なぜ7時間睡眠でなくてもよいかという考察を加えてつぶやきます。
睡眠時間と死亡率
玉腰先生らは、生活習慣とがんなどの病気の発生や死亡との関係を検討するために
結果は、睡眠時間は7時間の方が死亡率がもっとも低いようです。
【参考文献】Tamakoshi A et al. Self-reported sleep duration as a predictor of all-cause mortality: results from the JACC study, Japan. Sleep. 2004;27:51-4.
ここで、コレステロールと死亡率のデータを思い出します。
総コレステロールが140mg/dl以下の低い方の死亡率が、高かったのです。これは、背景に栄養状態などの差がありましたが、
【参考文献】Nago N et al. Low cholesterol is associated with mortality from stroke, heart disease, and cancer: the Jichi Medical School Cohort Study. J Epidemiol. 2011;21:67-74.
一方、岡村先生らのデータは、
総コレルテロールの値が160mg/dl未満までで検討しており、先ほどの論文の140mg/dlまでの検討はありません。140mg/dl以下となると栄養状態不良などのバイアスが出現すると思われますので、この結果ではそのバイアスデータは含まれていないと考えられます。
【参考文献】Okamura T et al. The relationship between serum total cholesterol and all-cause or cause-specific mortality in a 17.3-year study of a Japanese cohort. Atherosclerosis. 2007;190:216-23.
睡眠時間のデータにもどります。
睡眠時間が8時間以上の方は、
結論
これらのデータからは、睡眠時間のみにこだわるのでなく、
つまり、睡眠障害になるようなストレス、日常生活を修正したり、
これらのことに気をつけて、7時間睡眠を目標にしますが、