もくじ
「治らなくてもいい」でも「よくなる」と信じて治療しましょう
〜長く続くめまい・頭痛・耳鳴りと向き合うために〜
こんにちは、いのうえ内科脳神経クリニックです。
今回は、なかなか良くならない「慢性的な症状」との付き合い方についてお話しします。
めまい、片頭痛、耳鳴り…つらい症状が続くと、「このまま一生続くのでは」と不安になる方も多いと思います。
でも、私たちはこうお伝えしています。
「治らなくてもいいと思ってください。
でも、必ずよくなると信じて、一緒に治療していきましょう。」
■ 「よくなる」と「治る」は違います
● 図解:症状との関係性の変化(イメージ)
治療前: [症状] ←(ズシン…)← [患者さん]
↑つらくのしかかっている
よくなってきた頃:
[患者さん] →→→ [症状]
↑気にしすぎず、生活の主導権を取り戻している
“治る”とは症状が完全になくなること。
でも“よくなる”とは、症状があっても生活ができるようになること、つらさが軽くなることです。
■ 例え話:石ころと一緒に歩く人生
ある日、靴の中に小さな石ころが入りました。最初はとても気になります。
歩くたびに痛くて、「なんとかして取らなきゃ」と思い、ずっと石のことばかり考えてしまいます。
でも、歩き方を工夫したり、靴を履き替えたり、心の持ち方を変えることで、
石ころがあっても普通に歩けるようになっていきます。
「石ころ(=症状)」がある人生でも、前を向いて歩いていけるのです。
■ 慢性の症状には「焦らない」「諦めない」
PPPD(持続性知覚性姿勢誘発めまい)、片頭痛、神経性耳鳴りなどは、
医学的にも「一発で治る!」というものではありません。
でも、脳のクセや体のバランス、気持ちの持ち方を見直していけば、
ゆっくりと確実に“よくなっていく”ことは可能です。
■ 最後に:あなたは一人ではありません
「治らなくてもいい。でも、よくなると信じて治療する」
この考え方は、つらい症状に押しつぶされそうな方の心を、そっと支える言葉です。
私たちは、患者さんと一緒に前を向き、希望を持って治療を続けていきます。
焦らず、諦めず、今日も一歩ずつ。
それが「ほんとうの意味での回復」への道です。