ひさびさのブログです。

季節は秋、紅葉がちらほら、金木犀(きんもくせい)の咲くころ。

本日は、パーキンソン病の患者さんがよく経験する食後の倦怠感と体温調節障害について。

先日の外来で診察した60代の女性患者さん。

パーキンソン病で五年間くらい当院でみてます。

いつもはご主人さんと来院されてましたが。

車いすでヘルパーさんが連れて来院。

「夫が癌になり入院中なんです。」

A4用紙二枚分のお手紙を持参されてました。

ご主人さんが書かれたのかと思えば

訪問看護ステーションの看護師さんからのお手紙でした。

ともかく

「食後に二時間で倦怠感がくるのはどうしてか」

「やたらと寒気を感じたり、暑さに弱くなりました。なぜか?」

「パーキンソン病の予後について教えてほしい」

文章で返事をしてほしい。

たしか、以前もここの訪問看護ステーションのかたから別の患者さんでこのようなお手紙をいただいたな。。

どうやらご主人さんが奥様のことを心配して看護師さんにいろいろ質問されていたようです。

この質問に答えるのに苦労されたようでした。

ご主人さんと本人にお手紙を書くことにしました。

もちろん訪問看護ステーションのかたにも。

書いているうちに

そういえば

最近ブログ書いていないな。

この情報は、同じ状態で悩んでるひとに役にたつんでは?

と思い

今回は

パーキンソン病の患者さんが経験する食後の倦怠感と体温調節障害について。

まず

食後の倦怠感はなぜおこるか

食後低血圧による影響が考えられます。

食べ物が胃の中にいるあいだには、倦怠感はまずおこりません。

胃から十二指腸、小腸へと食べ物が送られているときには、食べ物が消化管を刺激します。

その結果

・ブラジキニン

・ヒスタミン

・セロトニン

という物質が遊離されます。

これらの物質は血管拡張作用があり、血液の中の水分を消化管のなかに放出させてしまう働きがあります。

この結果

血圧がさがるなどの状態になり、倦怠感が出現します。

なぜ

パーキンソン病の患者さんに食後低血圧はおこりやすいか?

パーキンソン病は、運動機能が障害されるだけでなく自律神経も障害されます。

じつは

自律神経がいちばん最初に障害されるとも。

自律神経の中枢は視床下部というあたまの中の真ん中。

交感神経と副交感神経のバランスをとります。

そのバランスが崩れることで

便秘(パーキンソン病の初期症状とも)

発汗障害

起立性低血圧

臥位高血圧(よこになると血圧が高くなります。)

などが出現してきます。

つまり

自律神経が障害されている状態で

お食事が急に小腸へ送られてきた場合に

食後低血圧がおこるのです。

食後低血圧を防ぐには

・ゆっくり時間をかけてお食事をする

・腹八分を意識する

・食後に横になる

(胃酸などの逆流などの心配もありお勧めできないことが多いですが)

・食後に下肢を挙上する

椅子から座椅子にかわる。

ソファーで少し足を上げたような感じで横になる。

などがあると思います。

体温調節ができないのはなぜか

パーキンソン病では、体温の調節がうまくいかなくなることがあり。

汗が多くでたり寝汗など発汗障害が。

皮膚の血管が広がり低体温症になり、免疫機能や代謝機能の働きがよわくなります。

低体温症はまず、手足の冷えとしてあらわれます。

体温調節ができないことへの対応

手足の冷えには入浴や足浴・手浴を行います。

入浴は心身をリラックスさせて、自律神経のはたらきを整える効果があり。

また

寒いからといって、上着を着込むのではなく、可能であれば室温を調整することが大切。

薄着で生活できればより快適。

また急に寒いところにでるとか、暑いところに入るなどは避けるほうがよいです。

居室とトイレなど別の部屋との温度変化を少なくする工夫も有効です。

まとめ

・パーキンソン病でおこりやすい症状に、食後低血圧と体温調節障害がある。

・食後低血圧は健康なかたにもおこるが、自律神経障害のあるパーキンソン病などの神経疾患の患者さんでおこりやすい。

・体温調節障害は自律神経障害のひとつ。

・食後低血圧と体温調節障害の対応について。