広島で脳神経疾患を主体に開業してますいのうえ内科脳神経クリニックの院長の井上です。

先日、脳梗塞や脳出血を予防するには血管をまもることが大切だとブログで記事を書きました。

最近では西城秀樹さんが二度の脳梗塞を経験されて、心臓疾患でお亡くなりました。

本日は、その脳梗塞の予後について投稿してみます。

脳梗塞の予後について

脳梗塞になるとすぐに亡くなってしまうというイメージを持っているかたは多いと思います。

実際は、すぐに亡くなることは少なく、脳梗塞の再発や脳出血・肺炎などの合併症などで亡くなることが多いのです。

ちなみにくも膜下出血の場合は半数近くのかたが、発症後一か月以内に亡くなるといわれております。

米国のミネソタ大学の研究結果。

平成22年2月、米国のサンアントニオで開催された国際脳卒中学会(ISC2010)で発表された内容です。

この経過観察によると、脳梗塞を一度発症してしまうと五年後には半数以上のかたが亡くなるようです。

そしてこの五年間の間に再入院をしなかったかたは、わずか6%です。

94%のかたは、脳梗塞の再発、肺炎、心不全などで再入院されております。

脳梗塞発症のピーク年齢は、日本でも80歳から85歳といわれており高齢者のデータが多く含まれた結果もあり脳梗塞の予後は悪いのだと思います。

この研究の対象者です。

2000年7月1日から12月31日までに急性脳梗塞で19のミネアポリスーセントポール都市圏の病院に入院した計697人の患者さんです。

5年余におよぶ長期予後の観察を行ったようです。

そのなかで退院された683人についての内訳です。

ご自宅に退院されたのは242人(35.4%)

在宅ケアは78人(11.4%)

リハビリ施設130人(19.0%)

介護施設や他の施設およびその他196人(29.0%)となっています。

再入院では、脳卒中の再発、肺炎および心不全がおもな原因だったようです。

脳梗塞再発による入院の累積発生数

最初の1年以内で6.2%

5年以内で24.6%

脳出血再発による入院の累積発生数

最初の1年以内で0.8%

5年以内で4.0%

肺炎による入院の累積発生数

最初の1年以内で8.2%

5年以内で27.1%

心不全による入院の累積発生数

最初の1年以内で4.7%

5年以内で21.3%

このデータから学べること。

・脳梗塞再発のリスクもさることながら、肺炎や心不全によるリスクが高い。

・脳梗塞再発リスクは発症後一年以内(6.2%)に高くが、その後はすこしリスクが軽減していく(24.6%)。

6.2%(一年目) x 5年間=31% > 24.6%(5年間のデータ)

・脳出血再発については最初の一年以内のリスク(0.8%)が均等に五年後まで(4%)つづく。

0.8%(一年目)x 5年間=4%(5年間のデータと同一)
・肺炎や心不全の合併症は高齢という要素もありますが高率である。

肺炎球菌ワクチンなどの予防接種の必要性が重要視されます。

思い

・脳梗塞になってしまったかたは、抗血小板薬・抗凝固薬のいづれかを飲まれ、高血圧・高脂血症・糖尿病などのお薬を飲まれているかたが多いと思います。

かかりつけの先生が処方されたお薬はしっかりと飲む飲むのは当然のこと、血圧手帳を記録したり、日常の生活習慣についてより改善する努力をするようにしましょう。

合併症に対する、予防接種などもきちんと受けておきましょう。

脳梗塞後の死亡率のリスクは高いもの前向きに対応するほうが予後はよいようです。

麻痺などのリハビリは、回復をめざすことのみでなく機能維持や運動習慣と考えて対応することも望ましいと思われます。

ストレス解消になることをどんどんとりいれて病魔と闘いましょう。