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片頭痛の予防薬って一生飲まないといけない?

この質問は、高血圧・高脂血症・2型糖尿病の患者さんから質問される「お薬って、一生飲まないといけないのですか?」と共通しております。

高血圧・高脂血症・2型糖尿病の患者さんには、まず運動療法(うんどうりょうほう)、食事療法を指示します。そして二カ月くらい様子をみて高血圧の改善をみとめない場合はお薬を飲んでいただくことが多いです。

そこで時々患者さんに言われます。

「飲みたくないです。だって先生!飲み始めたら一生お薬を飲まないといけないのでしょ!」

医師からするとなんてことを言っているんだ。

せっかく、脳梗塞や心筋梗塞の予防ができるのにとこころの中で思います。

しかし、専門的知識がない患者さんは、お薬を飲むとそれによって高血圧や2型糖尿病や高脂血症の体になってしまうのではと心配されているようです。

これは、間違いですが、実際に睡眠薬(すいみんやく)などの一部のお薬にはお薬を飲み続けるとお薬なしでは寝眠れない、お薬を中断すると意識がなくなったり痙攣(けいれん)を起こしてしまうようなお薬もあります。

これはお薬の依存症(いぞんしょう)ですが、この状態に高血圧・高脂血症・2型糖尿病のお薬を飲むことでなることはありえません。

そして、内服をすることによりこれらの病気が悪くなることもありません。

実際に、高血圧のお薬を止めれたというデータもあります。

高血圧の程度が軽度だった人に限ってみると、降圧薬中止後、塩分制限だけでも行うと、1年後の血圧が正常に維持される人が78%、5人に4人が高血圧の薬をやめることができるというデータがあります。

片頭痛の場合はどうですか?片頭痛の予防薬は一生飲むの?

片頭痛の患者さんでも毎日予防薬をのんでいただいている方が多くいらっしゃいます。

生活習慣の改善で予防薬が必要でなくなる方もいらっしゃいますが、片頭痛自体が難治性であったり、夜勤をしている、仕事の関係などでどうしても予防薬が必要で継続しないといけない方がいらっしゃいます。

片頭痛の予防薬はいつまで飲まないといけないのか?

予防薬の効果をみるためには最低でも二ヶ月は毎日、お薬を飲んでいただきます。

同じように、飲んでいる薬で、症状が安定してきてもすぐにお薬を中止しないことが大切です。

特に、就業や入学にともなう片頭痛の予防については、長めに予防薬を飲むのが良いといわれております。

一般的には、予防療法は最低3ヵ月は継続し,頭痛が月に 1,2 回以下が2ヵ月以上続くようになれば,徐々に減らして中止することを勧めているようです。