もくじ

片頭痛に予防薬ってあるの?

片頭痛発作が月に二回以上あるかた、月に6日以上頭痛があるかた、片頭痛の予防療法を検討するとよいでしょう。

また急性期の治療だけでは片頭痛による日常生活の支障がのこる場合や、

急性期治療薬が持病や副作用などで使用できないばあい、

前兆としての視野障害で就労に支障をきたすとき、などにも予防療法はすすめられます。

予防療法のメリット

1.発作の回数、程度、持続時間をへらします。

2.急性期の治療効果がよくなります。

3.生活への支障を減らし、生活の質を向上させます。

急性期の治療薬にはおおく飲み過ぎると薬剤の使用過多による頭痛になることがあります。

お薬を飲み過ぎるかたは予防療法が必要になります。予防薬には頭痛を抑えるのみでなく、高血圧を治療したり、抗うつ効果、抗てんかん効果、アレルギー疾患を改善することなどもあります。

高血圧や抑うつ状態、てんかん、アレルギー疾患などの併存症がある場合には、併存症にも有効な片頭痛予防薬を選択することができます。

漢方は予防薬でも、優れもので、いろいろな併存状態に対応します。

予防薬にはどのようなお薬があるのですか?

主なお薬は、β遮断薬、カルシウム拮抗薬といって血管を広げるす作用のあるお薬、抗てんかん薬、抗うつ薬、抗アレルギー薬、漢方薬などがあります。

これらの薬剤のうち抗アレルギー薬は保険で片頭痛の病名で使用できませんが、それ以外は使用可能です。お薬によって保険適応として、使用可能なものや、保険適応外使用として認められて保険を使用して使用可能なものがあります。

このあたりは複雑なので処方医にお任せするとよいでしょう。

予防療法はいつまで続ける必要があるのでしょうか?

予防薬が効果あるかを判断するためには少なくとも2ヵ月はお薬を飲んでいただく必要がありましす。

片頭痛は体調や気候などの環境により変化しやすいので、お薬を飲んですぐに頭痛が軽快しても、お薬のためでないかもしれないからです。

二ヶ月ほどの期間で、10あった頭痛が6以下になっていれば、予防薬が有効である可能性が高くなります。

日常生活に支障をきたす副作用などの問題がなければ 3~6ヵ月は予防療法を続けます。

そして、頭痛のコントロールが良好になれば,予防療法のお薬をゆっくりと減らしていき,可能であれば中止します 。

益のないお薬は有害というスタンスは大切です。予防療法の継続期間や中止を考える目安は,頭痛により日常生活などがどの程度障害されているかによります。

一概には決めかねますがが,多くのガイドラインでは予防療法を最低3ヵ月は継続し,頭痛が月に 1,2 回以下が2ヵ月以上続くようになれば,徐々に減らして中止することを勧めております。

注目される未来のおくすり

米国などではすでに認可されたものもありますが、分子標的薬による予防治療が片頭痛の治療で話題になっております。

日本ではつぎの三つの分子標的薬が現在治験で使用されております!

・Erenumab 月に一回の皮下注射

・Fremanezumab

・Galcanezumab