いのうえ内科脳神経クリニックの井上です。
寒くなり街路樹の紅葉も散りました。
本日はストレス解消法についてプライマリーケア―医としておこなうアドバイスを書いてみました。
もくじ
休むこと
あたりまえのことと言われるかもしれません。
休むこと、仕事をしないことこれは大切。
でも仕事をしないのがストレスになることもありますから要注意。
受験生など、どうしても勉強から逃げれない場合は勉強することがストレスの解消だったりすることもあります。
一概には言えませんが、仕事第一をやめて健康第一に考えるようにしてください。
ストレス要因を減らす
お仕事でも日常生活でも、できることは集中して明日にのばさないこと。
でもそれができないからストレス。
誰かにアドバイスを受けてもらうこと。
他人に頼んでみること。
などがありますが、もっと深刻なことがストレスの原因だったりしたら。
たとえば
今付き合っている彼(彼女)が暴力をふるう。
離婚したくてもできない。
今の会社を辞めたい。
そう簡単に決断できるものでない。
その場合は、だれかに相談する。
相談することが大切です。
相談するだけで人は気持ちが楽になる。
場合によっては電話相談なども利用してもよいかと。
解決しなくても多くのストレスは減るもの。
病院に受診する
ストレスによって、うつ状態になっていれば精神科ですがストレスによって頭痛やめまいなら脳神経内科、胸痛なら循環器内科、胃の痛みなら消化器内科といったように。
ストレスは精神科でないの?
ストレスはだれでも経験するもの。
ストレスによって精神科症状ならば精神科ですが、そうでなければ他科の先生がうまく対応できるはず。
そしてストレスのみだと思っていたら実は重篤な病気だったりします。
頭痛でいうとくも膜下出血などのようにストレス・過労が原因で起こるものもあります。
また後頭神経痛(こうとうしんけいつう)のような刺されるような頭痛もストレスが要因であったり。
これはストレスが要因だからといって頭痛の治療をしないくも膜下出血では死に。
後頭神経痛ではその痛みが原因でさらにストレス・睡眠不足になるという悪循環。
つまりストレスが要因でも頭痛の治療が必要。
胃潰瘍や過敏性大腸炎
過活動性膀胱
蕁麻疹(じんましん)の半数くらい
アレルギー疾患の多く
肩こり
腰痛の一部
治療しないとストレスが要因だったこれらの疾患がストレスを増す結果に
睡眠をしっかり、運動をして食事も
この生活習慣の基本はとても大切なこと。
ストレスを解消させるにはこの生活習慣を整えるのに勝るお薬はないかもしれません。
ただストレスで眠れないかたに「寝なさい」というのはムリ。
良く寝るためのポイント、そして睡眠薬があります。
最近では依存しにくい睡眠薬も多くあります。
またストレスでやる気がないかたに「運動をしなさい」もムリ。
これは少しずつでいいのです。
だんだん運動できるようになればよい。
食事にはとても大切な栄養素がはいってますね。
ストレスに対抗するといわれる、脳内神経伝達物質のセロトニンは食事から摂る必須アミノ酸であるトリプトファンが体の中で変換されてできるのです。
リラックスを
ヨガや瞑想・呼吸法などを実践することは頭の本当の休息につながります。
冒頭で休むことをストレス解消法としてあげました。
でも休むことが返ってストレスになることも。
脳は呼吸法などを実践するときに本当に休めるんです(マインドフルネスについては他でも投稿)。
ボーっとしているだけだと、嫌なことがいろいろ頭のなかをかけめぐり返ってストレスになることも。
だから今という時間に集中して、その他のことはなにも考えずに呼吸するんです。
趣味や自分の好きなことに没頭するのもストレスで疲れた脳を休めることにもなります。
まとめ
本日はストレス解消法について
1 休むこと
2 ストレス要因を減らす
3 病院に行く
4 睡眠・運動・食事をきちんと
5 リラックスを
*本ブログはある患者さんとの診察をきっかけに書いております。
すこしでもその患者さんをふくめストレスで悩んでいるかたのお役にたてれば幸せに存じます。