インフルエンザは高熱や頭痛、全身のだるさを引き起こす病気として知られています。
頭痛専門医として診療していると、インフルエンザに伴う強い頭痛で受診される患者さんを多く経験します。
しかし実は、インフルエンザは脳や神経だけでなく、体のさまざまな臓器に影響することがあります。
その一つが「肝臓」です。
今回は、インフルエンザのあとに一時的に肝臓の数値が上昇した症例を通して、インフルエンザと肝機能の関係について解説します。
もくじ
インフルエンザのあとに肝臓の数値が上がることがあります
― インフルエンザ関連肝炎の一例 ―
いのうえ内科脳神経クリニック
脳神経内科医 井上健
冬になるとインフルエンザの患者さんが増えます。
インフルエンザは
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高熱
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頭痛
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筋肉痛
などの症状がよく知られていますが、実は体のさまざまな臓器に影響することがあります。
今回は、インフルエンザのあとに肝臓の数値が上昇した患者さんの例をご紹介します。
※個人が特定されないように一部内容を変更しています。
症例
30代男性
発熱と強い頭痛があり受診され、検査で インフルエンザB型と診断されました。
その後
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強い倦怠感
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食欲低下
が続いたため血液検査を行いました。
検査結果
血液検査では肝臓の数値が
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AST 約300台
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ALT 約500台
と上昇していました。
ただし
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黄疸
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重い肝機能低下
などは認めませんでした。
その後の経過
数日後の検査では
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AST 約80
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ALT 約200
まで改善し、
さらに1週間後には
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AST 約50
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ALT 約100
まで低下しました。
特別な治療は必要なく、自然に回復しました。
インフルエンザで肝臓の数値が上がる理由
インフルエンザは体全体に炎症を起こすため、
肝臓の数値(AST・ALT)が一時的に上昇することがあります。
多くの場合は
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一時的な変化
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数週間以内に自然回復
します。
ただし注意が必要な症状
次のような症状がある場合は早めに医療機関を受診してください。
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皮膚や白目が黄色くなる
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強いだるさ
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食事がとれない
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意識がぼんやりする
これらは肝臓の働きが低下しているサインのことがあります。
まとめ
インフルエンザでは
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発熱
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頭痛
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筋肉痛
だけでなく、肝臓の数値が上昇することがあります。
しかし多くの場合は
一時的な変化で自然に回復します。
体調が長くすぐれない場合は、無理をせず医療機関に相談してください。



