片頭痛が起こる原因について説明するとき、次のように言います。

炎症物質がでて血管が拡張して痛くなります。

と、説明します。

血管拡張という言葉で痛みが出そうなイメージがあり、説得力があります。

しかし

実際は頭痛開始時に、しばらくは血管は収縮してます。

炎症物質が出るから痛くなるというところまでで十分な説明です。

つまり

怪我(けが)ややけどをしたときに人の体には炎症(えんしょう)がおこります。

この炎症が片頭痛の原因です。

どうして炎症物質がでるか?これが問題です。非常に複雑ですが説明させていただきます。

視床下部という自律神経の司令塔が脳のど真ん中にあります。

そこの部分が、環境や体調の変化によりストレストリガーを発行します。

これが片頭痛が起こる最初の出来事です。

このストレストリガーが出やすいか出にくいかの要因の一つは、遺伝子で決定されているようです。

つまり片頭痛の原因は遺伝であり、視床下部下部からストレストリガーがでるのが脳で最初に起こる変化なのです。

次にそのストレストリガーは脳幹に到達し、大脳を後ろから電気刺激し、前兆と呼ばれる閃輝暗点をきたします。

閃輝暗点は、字の如く目の前がキラキラ光り、視野が欠けて見えにくくなる現象です。

ほぼ同時にストレストリガーは脳幹の縫線核(ほうせんかく)を刺激し、セロトニンという神経伝達物質の放出が起こります。

その結果、三叉神経という頭の痛みをつかさどる神経が過敏になり、カルシトニン遺伝子関連蛋白(CGRP)という炎症を起こす蛋白がでます。

その炎症が痛み、頭痛の原因になります。

専門用語を極力使わずに説明しましたが、複雑ですね。

以下の様にまとめてみました。

視床下部→脳幹(青斑核せいはんかく)→大脳→前兆

脳幹(縫線核ほうせんかく)→三叉神経→CGRP→頭痛

青斑核からノルアドリンという興奮性の神経伝達物質がでて、縫線核からセロトニンが放出されます

カルシトニン遺伝子関連蛋白(CGRP)について

CGRPは、感覚神経においてその感覚を伝えるための神経伝達物質として知られる、37個のアミノ酸によって構成された神経ペプチドです。

CGRPは硬膜動脈や脳軟膜動脈(脳の表面を覆っている血管)が分布する三叉神経終末から放出されている物質で、この時に頭部全体に張り巡らされている三叉神経終末が刺激されることでの痛みの情報が脳に発せられます。

そして

その情報は中脳(頭のど真ん中よりやや下部の脳幹という部位)に存在する腹外側中脳水道灰白質(PAG)を経由して大脳皮質に経由して人に痛みを感じさせるのです。

研究によって、このCGRPを人間の頸静脈に投与すると片頭痛が誘発される事が分っています。

また片頭痛の発生後にこのCGRPが血中において増加しているという研究報告も存在しています。

しかも片頭痛もちでない人もこのCGRPの投与後は頭痛を感じますし、片頭痛もちの人は投与後に吐き気や音や光に対する過敏症状を引き起こすなど、片頭痛の強い症状を経験することもわかっているのです。