漢方薬を処方してます広島の開業医の井上です。

アンコールワット。

不死の霊液アムリタを得るため、神々とアスラが大蛇で綱引きをして海中をかき回します。

幾つもの頭を持つ蛇を引く神々。上では天女が踊ります。

もくじ

最近なんとなく疲れやすい。

だれもが年をとると経験することかもしれません。

赤ん坊や、幼稚園児、小学生の子供たち!

活気が体からみなぎるようです。

ご高齢の方にこのような活気は一般的にはありません。

大人しいのです。

人は、生まれてたときに気というのを授かります。

そしてその気は年を重ねるにつれてだんだんと少なくなるというのが漢方医学の考えなんです。

「わしは90歳じゃが元気で若い者に負けん。」

すみません。

例外もあります。

例外的に遺伝子的に若いかたはいらっしゃいます。

その先天の気が少なくなるのを改善させるお薬が漢方にはあるという話。

すごいこと。

その漢方とは

六味丸(ろくみがん)

八味地黄丸(はちみじおうがん)

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

です!

これらの漢方は腎虚(じんきょ)という病態に効果あります。

「腎」は、腎臓という意味でありません。

内臓の機能で、中枢神経系・内分泌系、泌尿・生殖器系、免疫系の機能の一部分ことを指します。

また腎にある精気を「腎気」といいます。

腎気には、生まれたときから授かっている「先天の精(せい)」

のちに、食事などによりみにつく「後天の精(せい)」

があるのです。

先天の精は減る一方ですが、後天の精は食事などにより増やすことができます。

「腎は精を蔵し、生長・発育・生殖をつかさどる」といわれます。

人の一生は腎気の盛衰で表されます。

腎気が衰えた状態が、まさに「腎虚」です。

この腎虚を改善させるお薬がこれら三つの漢方薬なんですね。

つぎの病気に効果があるのです(体質を説明するのは別ブログで)。

病名を読んでの通り高齢になればでてくる病気ばかりです。

太字の病名はこの三薬に共通のものです。

赤字の病名はこの三薬に共通ではないものです。

太い赤字の病名は二薬に共通するものです。

87 六味丸

慢性腎炎 ネフローゼ症候群

急性・慢性膀胱炎、膀胱神経症、前立腺肥大症、慢性前立腺炎、陰萎・男性不妊、排尿障害

糖尿病

高血圧症

腰痛症、肩こり症、五十肩、骨粗鬆症

脳血管障害後遺症

白内障

老人性皮膚掻痒症

小児気管支喘息、夜尿症

7 八味地黄丸

慢性腎炎、ネフローゼ症候群、萎縮腎

糖尿病

陰萎、急性・慢性膀胱炎、前立腺肥大症、慢性前立腺炎、男性不妊、尿失禁、排尿障害

坐骨神経痛、脳血管障害後遺症

高血圧症、低血圧症

腰痛症、肩こり症、五十肩、骨粗鬆症

白内障、眼精疲労

耳鳴

老人性皮膚掻痒症、湿疹

更年期障害

各種疾患にともなう浮腫

107 牛車腎気丸

慢性腎炎、ネフローゼ症候群

糖尿病高脂血症

陰萎、急性・慢性膀胱炎、前立腺肥大症、慢性前立腺炎、男性不妊、尿失禁、排尿障害

坐骨神経痛、脳血管障害後遺症

高血圧症、低血圧症

腰痛症、肩こり症、肩関節周囲炎(五十肩)、骨粗鬆症

白内障、眼精疲労

耳鳴

老人性皮膚掻痒症湿疹

各疾患にともなう浮腫、更年期障害

似てませんか?

そうです。

これらの漢方は実は、

*六味丸に経皮(けいひ)と附子(ぶし)の生薬を加えたのが  *六味丸は地黄(じおう)山茱萸(さんしゅゆ)山薬(さんやく)沢瀉(たくしゃ)茯苓(ぶくりょう)牡丹皮(ぼたんぴ)!

八味地黄丸!

そして

八味地黄丸に牛膝(ごしつ)と車前子(しゃぜんし)の生薬を加えたのが

牛車腎気丸!

その昔、かの徳川家康も愛用する、精力剤として使用されていた。

といえば八味地黄丸なんですね。

家康といえば、人間50年といわれていた時代に、75歳まで長生きをしたと有名です。

ここだけのお話。

漢方の大家の先生に長寿なかたが多いのです。

こっそりこれらの漢方を飲んでいると耳にします。

まとめ

本日は、腎虚(じんきょ)についての説明

六味丸・八味地黄丸・牛車腎気丸の紹介

漢方大家の先生の愛用薬?