運動はメタボリックシンドロームの予防になるばかりか認知症発症の予防です。

運動にははかり知れない健康への効力があると思います。

実際に運動を定期的されたかたで少々の不摂生をしても健康に長生きされるかたは多いようです。

しかしお医者さんの立場としては運動もして不摂生ない生活を!

本日は、糖尿病と診断されているかたや予備軍のかたに、ぜひ読んでいただきたい記事です。

飲酒についてです!

お酒は適量の場合はストレス解消の効果を期待できる(エビデンスはありません)といわれてます。

少量だと健康によいというデータと少量でも飲酒はダメだというデータがあります。

アルコールに強い体質かどうかは遺伝によって決まります。

日本人は4~5割程度がお酒に弱い遺伝子をもっていますね。

下戸のかたはあえてお酒を飲もうとトレーニングしないことです。

飲めるかたは飲み過ぎないように。

量が増えると確実に健康を損ねるのは事実です。

私自身も赤ワインを毎日一年間くらい飲んで体を壊したことがあります。

もくじ

お酒は高カロリー

アルコールに含まれるカロリーは1gあたり7kcalも!

これは脂肪の9kcalにつぐ高カロリー!

非蒸留酒には糖質も含まれてます。

さらにアルコールには食欲を高める作用もあり。

つまり肥満の原因はアルコール!

糖尿病の原因はアルコール!

お酒を飲むときの注意点

血糖降下薬を飲んでいる人

食事を十分に摂らずに飲酒すると低血糖になることがあり。

低血糖は脳にダメージを与えますので高血糖よりも悪い。

食事量が低下すると、肝臓のグリコーゲンが減少します。

そしてアルコールの代謝に伴う代謝経路の変化により、糖新生(糖質以外からの糖の産生)が抑制されます。

糖尿病の患者さんが食事をとらずに飲酒するのは避けるべきです。

低脂肪で高タンパク質の食品(豆腐・枝豆・イワシなど)を飲酒時には食べるように。

脱水症に注意

アルコールは水分補給にはなりません。

アルコールには利尿作用があり尿量がふえます。

その分以上にお水をとらないと脱水状態になることも。

純アルコール量で約20gが限度

厚生労働省の指針では、1日のアルコール摂取量の目安を、純アルコール量で約20g程度だとしています。

ビール 中びん1本(500mL)

日本酒 1合(180mL)

焼酎 0.6合(約110mL)

ウイスキー ダブル1杯(60mL)

ワイン1/4本(約180mL)

缶チューハイ1.5缶(約520mL)

です。

といって上記の量でそれぞれ飲んで節制しているといわれた患者さんがいました。

でなく

それぞれの種類に換算した一日量の目安ですね。

アルコール健康医学協会による血液中のアルコール濃度の関係。

「爽快期」さわやかな気分です。

アルコール濃度 0.02~0.04%

このときはまだ、皮膚が赤くなったり、陽気になったりする程度。

「ほろ酔い期」

アルコール濃度 0.05~0.10%

体温が上がり、脈が速くなったりする。

酔いが進むと次第に、理性をつかさどる大脳皮質の活動は低下していく。

「酩酊初期」

アルコール濃度 0.11~0.15%

気が大きくなって大声を出し、怒りっぽくなる。

「酩酊期」

アルコール濃度 0.16~0.30%

鎮静効果が強くなり小脳に影響をあたえ、運動失調の状態になる。

呼吸が速くなり、千鳥足になったり、何度も同じことをしゃべったりするようになる。

アルコールは約20gにとどめ

「爽快期」を維持して酒を楽しみ、酒量が増えたとしても「ほろ酔い期」でとどめておきましょう。

アルコールの代謝

個人差があり。

体重60kgの人が40gのアルコールを30分以内に飲んだ場合

アルコールは約3時間から4時間体内にとどまると言われております。

「糖質ゼロ」でもカロリーは「ゼロ」ではない

「糖質ゼロ」「カロリーオフ」といった表示をしたビールや発泡酒などの酒類があります。

「糖質ゼロ」と表示してあっても、カロリーは「ゼロ」ではありません。

健康増進法にもとづく栄養表示基準では、飲料では100mL当りで糖質0.5g未満であれば「糖質ゼロ」と表示できます。

また熱量(カロリー)が20kcal以下であれば「カロリーオフ」と表示できるからです。

実際には、量を少なくしていても糖質が含まれていたり、カロリーがある場合もあります。

また酒類のカロリーは、糖質の量よりもアルコール度数の方が影響は大きのです。

前述したようにアルコールは栄養表示基準で、1gあたり7kcalで計算されます。

100mLは約100gなので、アルコール分5%であれば100mL当たり35kcal、350mL(レギュラーサイズ)では123kcalです。

寝る前の飲酒は睡眠の質を下げます

アルコールに強いかたはあまり影響がないこともありますが

一般に睡眠の6時間以内に飲酒をすると眠りが浅くなるといわれます。

アルコールは入眠作用がありますが、体内で分解されたあとアセトアルデヒドという覚醒物質にかわるんですね。

だからお酒を飲んだあとは早く目覚めるのです。

そして熟睡感がなくまた眠ってしまうのです。

アルコールが強くても寝る3時間以内に飲酒はしないようにするのがよいでしょう。

アルコールは高血圧の原因に

アルコールを飲むと短時間には血管拡張作用があるので血圧はさがります。

そして翌朝は若干高めになるのが生理反応です。

そしてアルコールが多いと長期にわたり高血圧の原因になるんです。

アルコールはインスリン抵抗性にも影響

肥満になると、インスリンがでてもインスリンの受容体が反応しにくなり糖尿病になる。

これは有名なおはなしです。

同じことが、アルコールの過飲でもおこることがわかってきました。

アルコールを過剰に摂取すると、脳内の視床下部で炎症反応が引き起こされます。

そのため末梢組織のインスリン受容体へのシグナル送信が阻害され、インスリン抵抗性が引き起こされるというんです。

食欲を亢進する作用も

アルコールには、食欲を抑制するホルモンのレプチンを減少させる作用があり。レプチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンで、視床下部にある満腹中枢に作用して、食欲を抑える作用が

り。

飲酒量が多い人では、レプチンの濃度が低下する傾向がみられます。

アルコールは、アルコールそのものの作用のほかに、肝臓や膵臓の障害などのさまざまな因子を介して、血糖コントロールを困難にします。

糖尿病のある人や耐糖能異常(糖尿病予備軍)のある人は、アルコール摂取にとくに注意が必要なんですね。

「酒は百薬の長」と言われますが、飲む量によっては糖尿病にもなるんです。

そして人によってはアルコール依存症、アルコール精神病といった人格破壊につながる恐ろしい病気にもなるんです。

【参考文献】
Souza-Smith FM et al. Repeated Binge-Like Alcohol Intoxication: Depot-Specific Adipose Tissue Immuno-Metabolic Dysregulation. Shock. 2017;48:243-250. doi: 10.1097/SHK.0000000000000843.

まとめ

アルコールは高カロリーです

カロリーによる糖尿病の発症とインスリン抵抗性による糖尿病の発症があります。

飲酒をするときには低血糖に注意を(糖尿病のかた)。

アルコール量と意識・運動機能におよぼす影響。

飲酒は睡眠障害の原因になります。