「あなたの頭痛は、お薬の飲み過ぎで起こってます。」

この言葉に患者さんは

「でも、県外で前通っていたかかりつけの先生はいくらでも飲んでも安全だといってました。」

と15歳の彼女は毎日、イブプロフェンという鎮痛薬を飲んでいました。

(なぜ?○○先生は頭痛学会専門医ではないのですが頭痛患者をよくみてるはずなのに。。。)

と私の心のなかで疑問が浮かびました。

問診!

当院の看護師がしっかり聞いていました。

小学校の高学年ころから勉強のストレスや睡眠不足で頭痛が夕方になると起こるようになる。

吐き気・音過敏・光過敏はない。

近医からイブプロフェン処方あり。効果ある。

一週間位、続いて頭痛がおこることもあったが、イブプロフェンを飲むと軽快していた。

問診!

私は訊ねました。

嘔気・音光過敏!!

問診ですでに否定されている項目です。

「頭痛のときに、吐き気や、音や光に過敏になることはなかったのですか?」

「。。。中学校にはいってから生理前になると頭痛がはじまりました。

その頭痛は吐き気や音や光に過敏になってました。

でも、イブプロフェンを飲むと軽快してました。」

薬剤の使用過多による頭痛(旧称 薬物乱用頭痛)です。

月に10日以上、痛みどめをのむようになると薬剤の使用過多による頭痛になるリスクがでてきます。

薬剤の使用過多による頭痛では、お薬が効いている時間がだんだん短くなります。

頭痛の程度も軽減されにくくなります。

その結果、お薬の必要量が増えます。

脳の痛みを制御するシステムに異常をきたします。

お薬をのむと余計に痛みを感じやすい状態になります。

では、なぜ元の主治医はお薬をいくらでも飲んでいいといったか?

小学校の時の彼女の頭痛の診断です。

吐き気や音過敏や光過敏がありません。

これは片頭痛ではありません。

頭痛学会専門医ではみんな知っている二つの事項があります。

・小児は薬剤使用過多による頭痛になりにくい。

・緊張型頭痛など片頭痛でない頭痛も薬剤使用過多による頭痛になりにくい。

つまり小学校のときの彼女にはイブプロフェンの内服は制限をとくに行う必要性は低かったと前主治医は考えたのです。

ところが、

中学にすすむ間に彼女は前兆のない片頭痛を合併してしまったのです。

医師は初診時にはしっかり時間をかけて診ますが、毎回同じように受診される患者さんは時間をかけてみません。

そのうえ、厚生労働省の指導では、長期処方をすすめる時期がありました(現在は一か月に一回は診療するようにすすめてます)。

数か月まとめて処方箋が発行されていたみたいです。

その結果、いつのまにか薬剤の使用過多による頭痛になってしまっていたのです。

基本事項

片頭痛で、お薬は月に10日を超えて飲まないようにする。

月に10日を超える場合は頭痛専門医と相談をする。

*個人情報守秘義務のためこのお話しば事実に基づいたフィクションです。

まとめ

・高校生の薬剤の使用過多による頭痛の紹介。

・なぜ薬剤の使用過多による頭痛になったかのわけ。

・薬剤の使用過多による頭痛にならないための注意。

先日マイベストプロのコラムでも薬剤の使用過多による頭痛について書いてみました。ご参考いただけると助かります。