いのうえ内科脳神経クリニックの院長の井上です。
本日は敬老の日(平成30年9月17日)でした。
癌(がん)と長寿について書いてみようと思います。
もくじ
まずは「がんを完全に予防する方法があるか?」ですが
残念ながらありません。
どれほど健康に気を配っていても、体のなかにがんができることを完全に予防する方法はないんです。
しかし
「癌になる確率を減らすことはできる!」
それが生活習慣の改善。
・たばこをやめる
・節酒(少量はよいとされる見方が現時点では強い)
・野菜を多くたべる
・塩分はひかえる
・白い炭水化物はひかえる(白米より玄米)
・三食食べる
・太りすぎないようにする
これらをきちんと守ると、がんになる危険性は減るというエビデンス(根拠となる論文)はあり。
(個人的にはこれに運動と睡眠も効果があると思ってます。)
先日、中国新聞に
がんで死亡960万人という見出しでニュースされました(世界でのはなし)。
WHO世界保健機関が平成30年9月12日付けで2018年(平成30年)には
世界で
推計1810万人が新たにがんと診断
死亡者が960万人に上るとの報告書を発表。
高齢化伸展と途上国での人口増にともない急増。
「平均寿命が伸びるうえでの最大の障害」ががん!
予防と早期診断の普及が重要だと訴えられてます。
ちなみに六年前の2012年は新規患者1410万人、死亡820万人。
男性の5人に1人、女性の6人に1人が生涯にがんにかかり、男性の8人に1人、女性の11人に1人ががんで死亡。
患者さんの数が多いのが肺癌(209万人)、乳癌(208万人)、大腸癌(180万人)の順。
途上国での食生活の「西洋化」にともなうがんの増加が要因として考えられています。
死亡者数がもっとも多いのは肺癌(176万人)、大腸癌(86万人)、胃癌(78万人)。
乳癌は62万人と患者数にくらべ少ない!
先進国を中心に再発予防が効果をあげているのではとのこと。
もう一つの新聞の見出し
100歳以上2000人超す(広島県のはなし)
こちらはローカルな話題になります。
広島県内の100歳以上の高齢者の数が9月1日現在で2061人と、初めて2000人を超えました。
昨年の同時期より152人上回っていたようです。
二年ぶりの増加!
人口10万人あたり72.85人
47都道府県で20番目とのこと。
100歳以上の高齢者数は2006年で945人だったのが2018年には2061人に!
女性は795人が1773人に
男性は150人が288人に
女性は倍以上ののびでした。
なぜ、女性のほうが比率的に多くなるのか不思議なものです。
長寿にはやはり遺伝子的な要素が強いと考えてしまいます。
そうはいえ、がん予防と同様に日常生活習慣に気を付けてできるだけ長く健康に生きたいものです。
まとめ
高齢化が進むにつれがん患者さんの数と死亡者数は増えていきます。
がんは完全には予防できないもの、生活習慣の改善や予防医学的な手段(おくすりなど)を用いて発症を減少できる。
がんの早期発見は重要である。
100歳以上の高齢者の数が広島県で2000人を突破!
女性の高齢化率は男性よりも大きい。
長寿にも生活習慣の改善が有効であると考える。